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(続)格好が・・・
官能リレー小説 - その他

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(続)格好が・・・ 17

水泳部顧問の女教師、大橋美紗が虹子の傍に寄って来た。
「いい新人たちが入って…今年の水泳部は結構いけそうね!」
「ええ!私もキャプテンとして楽しみです」
虹子も満面の笑みで言った。

一方、新体操部のほうは。
入部希望の15人全員が中学の時以前からの経験者ということで、各自1種目ずつ演技を披露することとなった。3人ずつ5組に分かれ、それぞれ異なる5つの手具を持って演技するのである。また、各組に1人ずつ先輩部員が付いて手本を示すとのことである。
望美と光輝(みつき)はボールの演技の組に選ばれ、真美が手本を示すこととなった。
「真美先輩、すごーい!」
望美も光輝も真美の演技に見惚れる。公開模範演技の時のリボンの演技も素晴らしかったが、目の前のボールの演技もとても見事だ。

「さあ、望美ちゃん、やってみて」
真美は演技を終えると、望美にボールを手渡した。
「はい」
望美はボールを持つと、13メートル四方のマットの前に立った。

 ボールを抱え、緊張しながらもなんとか胸を張ってマットの真ん中に進み出る望美。そしてすぐにボールを高く投げ上げるが、まるで紐がついているかのように望美の手に戻る。
 しなやかに曲線を描く望美の体を這うように動くボール。何度も何度も繰り返される下へ、そして上への180度の開脚。
 そうして、ボールが膝の後ろに収まって望美は座り、演技は終わった。

緊張が解け、望美はホッと一息つく。部員や他の新人たちは望美に拍手を送った。
立ち上がり、マットの外へ出た望美の前に真美が寄って来た。
「望美ちゃん、お見事よ!」
満面の笑みで望美を讃える真美。
「いいえ。…私なんてまだまだ…森崎さんや真美さんには及びませんよ」
そう言いながらも、雪乃や真美の前で無事に自身の演技を披露できたことに望美は満足していた。
「望美ちゃん、随分腕を上げたわね!」
望美の演技を見つめていた光輝も称賛した。

望美に続いてボールの演技を行うのは光輝だ。
「さあ!久し振りに光輝の演技、見せてもらうわよ」
望美はそう言って、光輝にボールを手渡した。
「見てなさいよ、望美」
小学校時代、望美と光輝は同じ新体操クラブで競い合った仲であった。
光輝はボールを持って、13メートル四方のマットの前に立つ。
(望美には負けられないわ)

 光輝は、望美と異なり、ボールを手から遠くへ離すことはせず、ボールの上に体を載せたりなどボールを近くで扱う演技を得意としていた。ボールを派手に投げ上げる望美を小学生時代から見ていてうらやましかったのだが、演技が被ることを防ぐためにそういう方面ではない指導を受けていた。
 “負けないように、開脚を、もっと”

そうして、光輝はどうにか無事に演技を済ませ、マットの外へ出た。
「光輝ちゃん、御苦労様」
望美は光輝の傍に歩み寄り、ねぎらいの言葉を掛けた。
その2人の傍へ雪乃が近寄って来た。
「星野さん…演技に固さが見られたけど…何だか気負っていたみたいね」
雪乃は光輝に向かって言った。雪乃のその指摘に光輝はドキッとなった。
「は、はい。…望美ちゃんに負けられないって気負っていました」
光輝は素直に自分の気負いを認めた。
「駄目よ、そんな雑念は。演技は無心で臨むことが大事よ」
雪乃は穏やかな口調で諭した。
「はい。わかりました。…すみませんでした」
光輝は素直に返事をした。

(無心で演技か)
傍にいた望美も雪乃の言葉を謙虚に胸に刻んでいた。

ボールの演技は3人目も無事に終了し、次はクラブである。クラブの組には真美の後輩の川村理香も入っており、3番目に演技をすることになっていた。
1人目と2人目が無事に済み、理香に出番が回って来た。

真美「理香ちゃん、しっかりね」
理香「はい!」
真美と川村姉妹の出身中学は公立ながらスポーツが盛んで、特に新体操部と水泳部はトップクラスのレベルだった。

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