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(続)格好が・・・
官能リレー小説 - その他

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(続)格好が・・・ 15

 「そうよねえ。かなり締め付けないとになっちゃうからねえ」
 紗綾香は改めて周りを見渡し、また、ここにいない他の女子部員を思い浮かべたりした。思えば、みな、紗綾香ほどではないにせよ、胸が小さい人ばかりなような気がした。部活にいるときはコンプレックスを感じることはなかったのだ。
 「筋トレして引き締めようとしてるんでるけどなかなか追いつかなくて。競泳は続けたいんです」
 「そうだよね」
 

入学を控えた者で水泳部入部希望で集まったのは、男子6人、女子は香織を含めて9人だった。その殆どは競泳水着だが、濃紺のスクール水着を着た女子もいた。女子は香織以外、目立って胸の大きい子はおらず、紗綾香と同程度かちょっと大きいといった感じの子ばかりだった。

まず水泳部員たちと入部希望者たちとの間で挨拶が交わされ、皆それぞれ自己紹介した。それから、紗綾香を含めた部員数名が模範で泳いだ後、入部希望者一人一人がみんなの前で泳ぐこととなった。

「紗綾香先輩」
泳ぎを済ませてプールから上がった紗綾香を呼ぶ声がした。そして、目の前にいる男子を見て紗綾香は驚く。
「紗綾香先輩、お久しぶりっす」
「あんた…沖田…」
その男子は紗綾香の中学の1年後輩で、同じ水泳部にいた沖田宏だった。180p強の長身の宏は見下ろすように、身長155pと小柄な紗綾香を見つめる。
「俺、紗綾香先輩を追ってここに入学したんすよ」

嫌な奴が入って来たなと紗綾香は思った。中学の時、紗綾香は宏から、幾ら断ってもしつこく交際を迫られ、やたらとつきまとわれてばかりいた。“余りにも図々しい奴”というのが紗綾香の印象だった。

「男子は向こう行きなさい」
 紗綾香は、プールサイドの男子が集まっている方を視線で示した。
 「水木君、沖田君同じ中学だったんだって?しばらく旧交を温めたらどうだ?」
 その方向にいた、今度三年生になる男子の先輩が、気を使ったつもりで、紗綾香にとってはいらぬことを言った。
 「先輩、もう彼氏とかいるんすか?」
 「うるさいな」

 「紗綾香先輩、この人は?」
 香織が近づいてきた。紗綾香は、気まずい空気が緩和される、とちょっとほっとした。

「可愛いな!…誰ですか?」
宏は香織を見て言った。
「俺…紗綾香先輩の中学の後輩の沖田宏です」
宏は香織に向かって自己紹介した。
「私…有村香織です」
香織は宏に名前を告げた後、去年の夏にレジャー施設のプールで紗綾香たちと知り合って親しくなり、学園祭に招待されたことなど、この学校に入学を決めた経緯を話した。
「そうすか!…よろしくっす」
宏は笑顔で言った。

紗綾香は宏の前から離れ、香織の傍に寄った。
「気をつけなよ。こいつ、女の子に対して凄く図々しいんだから」
紗綾香は小声で香織に言った。そして、中学時代、宏にしつこく追い回されたことを話した。
「そうですか」
香織の宏に対する印象は、背の高いイケメンで、見た目はカッコいい、だけど、軽薄な感じ、といったものだった。

そこへ、新3年生女子でキャプテンの清川虹子の声がした。
「沖田くんに有村さん、早く泳いでちょうだい」

 宏は男子が泳いでいる側に移動したが、香織がこれから泳ぐレーンの隣になった。
 程なく、宏は飛び込み、次いで香織も飛び込み、クロールで往復してきた。
 ストップウォッチを見る虹子。

 「さすが、二人ともかなりのタイムね」

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