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(続)格好が・・・
官能リレー小説 - その他

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(続)格好が・・・ 13

「私はもうすぐ卒業してしまいますけど、どうか皆さん、今後とも白光学園新体操部のことをよろしくお願いします」
雪乃はそう言ってメッセージを締めくくった。すると、観客席からたちまち盛大な拍手が沸き起こった。その拍手に送られ、雪乃は退場して行った。

こうして新体操部の公開模範演技は終わった。修たちサッカー部員たちは練習に戻り、泉はそれについて行った。

制服に着替えた雪乃と真美は遥や紗綾香たちと再び合流した。
「雪乃先輩、それに真美も、御苦労様でした」
2人にねぎらいの言葉を掛ける紗綾香。
「雪乃先輩、とても眩しく輝いてましたよ!…真美ちゃんもお見事…」
遥は正直な感想を述べた。
「憧れの森崎さんの華麗な演技、すぐ目の前で見ることができたんですから、感激です」
望美は目を潤ませながら言った。

「ありがとう、みんな」
雪乃はみんなに向かって礼を言った。
「真美ちゃん、それに望美ちゃん、新体操部のこと、よろしくね」
雪乃は満面の笑みで言った。
「はい。…望美ちゃん、一緒に頑張ろうね」
真美は望美に言った。
「私、頑張ってみせます!」
望美は明るい笑顔で言った。

 そうして、三年生を送る会の日が来た。
 仮装のど自慢のトップバッターとして、優奈をセンターにチェックのスカートを履いた5人の女子が現れた。
 満場の拍手。

 「今、桜は散ってしまっていますが、日本人にとって、桜は、卒業、新しい門出に結びつくものと昔から位置づけられてきました。今日は、そのイメージがまだ色濃かった時代の、アルファベット三文字グループの、桜ソングメドレーを、歌います!」

 生徒からより、後ろの保護者席の方から、より大きな拍手と歓声が沸き上がった。
優奈のグループに続き、サッカー部の3年生たちがユニフォーム姿で合唱した。その次は水泳部の3年生女子一同の出番だったが、彼女たちは水泳部のユニフォームともいうべき青色の競泳水着を着た格好で、大きな注目を浴びた。
他にも、柔道着や剣道着、テニスウェアなどのスポーツウェア、コスプレ、アイドル歌手のステージ衣装を真似たものなど、様々なスタイルが見られ、学校指定の白いセパレーツ水着の姿で歌う女子もいた。

このイベントで観衆を最も魅了させたのは雪乃たち新体操部3年生一同だった。彼女たちは白いレオタード姿で、また、足はむき出しにならないよう、白いタイツを履いていた。そして、雪乃をセンターに彼女たちは熱唱した。

最後を飾ったのは麗美と光平のカップルだった。ウエディングドレスの麗美とタキシード姿の光平のデュエットで幕は閉じられた。

この頃、広夢が雪乃をモデルに描いた、『白き天使』と題する絵が校内に飾られていた。それは純白のレオタードスタイルでポーズを取る雪乃の姿を描いたものであった。広夢は雪乃の依頼により、新体操部の公開模範演技の翌日から制作に取りかかったのである。

 その日、広夢はたった一人で美術室で待った。
 そして一人で来た雪乃。広夢はある意味、二人を描いたヌードの時より緊張していた。
 それでも、広夢はいつもそうしているように、モデルが緊張しないように、自然な雰囲気が出るように、声をかけていった。

「光栄です。森崎先輩みたいな素敵な人を描けるなんて…」
「ウフ!私のほうこそ…“美少女画の天才”の貴方に描いてもらえるなんて嬉しいわ」
互いに笑顔でやりとりし、2人は雰囲気を和ませる。そして、雪乃はジャージを脱いでレオタード姿になった。
雪乃のレオタード姿を間近で見て、緊張する広夢。

「ところで…森崎先輩」
「私のことは“雪乃”でいいわ」
「はい。じゃあ雪乃先輩、ちょっとお尋ねします」
「何かしら?」
「先輩は演技してる時、いつもどんな心持ちですか?」
「何も考えず、頭の中を真っ白にして演技に集中しているわ」
広夢に尋ねられ、答える雪乃。
「そうですか!…じゃあ、僕のことは意識せず、演技に集中してる時の気分になってください」

雪乃は広夢の目の前で、新体操の演技で見せるポーズを取った。そして、広夢に言われたように、演技に集中している時の心境になるよう努めた。広夢もまた、雪乃の演技を思い浮かべながら懸命に描いた。
そして、『白き天使』は完成し、校内で展示され、たちまち大評判となった。入学手続きの為に来ていた望美と香織の目にも止まった。

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