格好が・・・ 16
遥は慌てて制服を整えた。
「あ、吹田先輩、お疲れ様です。ちょっと見回りの途中だったのです」
「お疲れ」
「こっちの方は確認しました」
遥はそのように優奈に言い、麗美たちが優奈と鉢合わせすることを防いだ。
「そう」
頭の中で、さっきの映像が消えない遥は、優奈に今まであまり踏み込まなかった質問をした。
「あの、吹田先輩、ええと『彼氏いるんですか』とか、聞いてもいいですか?」
「どうしたの?急にそんなことを聞いて」
優奈は驚いて、逆に聞き返すっ。
「いえ。麗美先輩が秋山先輩にお姫様ダッコされてるのを見たら、それがうらやましくて」
遥は苦しまぎれに言い訳をする。
「それだけかしら?もしかして、麗美と光平くんがエッチしてるとこ見たとか?」
「えっ?どうしてそれを」
「やっぱりね。あの2人、とうとうやったんだ!」
麗美と光平のことを丸で知っているかのような優奈の口ぶりであった。
遥は、更衣室内での麗美と光平について、優奈に打ち明けた。
「私ね、一年の時、麗美や光平くん、それに、雪乃と同じクラスだったの。麗美トモ雪乃とも、その頃から仲がよかったわ」
優奈は懐かしそうに話す。
「光平くんはその頃から女の子達に人気があって、私も彼のことが大好きだった。でも、光平くんには既に麗美がいて、他の誰もが入り込む余地がなかった。雪乃だけ、2年になったらクラスが別れちゃったけど、あの子も光平くんのことが好きだったみたい」
「そうだったんですか」
優奈の話に驚かされる遥であった。
「質問に答えると、いないよ。なかなかああいうカッコイイ男いなくてね」
優奈は苦笑いする。
「根谷さんは?」
不意に返された遥はちょっとびっくりした。
「え、えっと、いません」
優奈はおだやかに笑った。
「お互いいい出会いあるといいよね。じゃあ、また明日」
そういって優奈は去っていった。
遥は泉に連絡を取った。
遥「泉、コンテスト、惜しかったね。あとちょっとで3位になれたのに」
泉「別に気にしてないよ。あの紗綾香ちゃん、結構可愛いし」
遥「記念撮影の時、長瀬くんとツーショットしたけど、彼と何かあるの?」
泉「別に。頼まれたから一緒に写っただけだよ」
遥「そう」
泉「ところで…何か用?」
遥「もうすぐ夏休みでしょう。よかったら、恵麻や杏も誘って、どっか泳ぎに行かない?」
泉「オーケー!恵麻や杏にも話しとくよ」
遥は泉への連絡を終えると、先ほど別れたばかりの優奈に電話をした。優奈も誘い、優奈を通じて雪乃も誘おうと考えたのだ。遥は雪乃にも話を聞いてみたいと思った。
優奈は快く了承した。
夏休みに入ったばかりのある日、遥に泉、恵麻に杏、優奈に雪乃、彼女達は某レジャー施設のプールに来ていた。みんなそれぞれ様々な水着で着飾っていた。
遥と泉の水着はもちろんセパレート。それぞれ水色とピンクなのだが、乳首と股の部分を辛うじて隠すくらいの紐に近いものだった。
「アタシたちなりにイマドキの水着調べたのですが…やっぱり恥ずかしいですね」
遥は胸を片腕で抑えながら言った。