格好が・・・ 15
水着コンテストの会場となった体育館には、地下に屋内温水プールと更衣室、シャワールーム等があり、コンテスト出場者たちはそこの更衣室で着替えていた。
コンテストが終了し、会場の後片付けも終わった頃、下校を促す校内放送が流れた。遥は、まだ誰か残っていないか、確認のために更衣室のある地下に下りた。
更衣室のドアの前に近付いたときだった。
「あぁんっ……あぁんっ……」
ドアの向こうから女子の喘ぎ声が聞こえた。
遥は気になって、ドアの隙間から中を覗こうとする。
その前に、もし、中のその声の主に何か言うなら、何と言えるか、考えた。
“うち『不純異性交遊禁止』だったっけ?”
遥は、女子だけでつるんで楽しく、男に近づこうとはあまり思っていなかったので、その規定が無いことを思い出すのに数秒間要した。それで注意はできない。
しかし、中に男がいたら…扉の向こうは女子更衣室なので、十分に違反である。
それを考えてから、覗いた。
ドアの向こうには、麗美と、光平が、見えた。
2人とも、まだ水着を着たままだった。
光平は、室内の真ん中に立つ麗美の足元にしゃがみ、両手を彼女の腰にかけ、顔を麗美の下腹に近付けていた。
「あぁんっ……あぁんっ……あぁんっ……コーくんっ…もっとぉー……」
気持ちよさそうに喘ぎ続ける麗美。
光平は口の中から舌を伸ばし、麗美のヘソをなめていた。舌先をヘソのくぼみの奥に差し込むようにし、繰り返し舌の先端を這わせ続ける。
舌の動きを一旦止めて光平は言う。
「へへっ…エロいヘソだなあ!舌を這わせる度にアンアン喘いじゃって」
「いやあん…そんな意地悪言わないで…おヘソが気持ちいいの…コーくんの舌が気持ちいいの……」
そう言って、麗美は光平に甘える。
「これから俺ん家に来ないか?親父もおふくろも今夜は泊り掛けで帰って来ないんだ」
光平は立ち上がって、そんな話をした。
「2人揃ってトップになった祝いに、初体験といこうぜ。俺、初めてはやっぱり麗美としたい」
「本当?うれしい!」
麗美は幸せ一杯の気分であった。光平にバージンを捧げる、ついにその夢がかなう時が来たのだ。
遥は、そんな2人の様子をずっと眺めていて、胸をドキドキさせていた。
遥は、もう何か注意しようとしたことは忘れていた。
ただ、もうすぐ2人が出てくることに気付くくらいの冷静さは残っていて、遥はその場から離れた。
十分更衣室から離れた遥は、初めて自分から男に近づきたいと思ってスマホを取り出した。
しかし誰と連絡を取ろう?
駿?ちょっと頼りない感じ。
春樹さん?身近な男子よりは頼りにはなりそうだけど、妹のあの子に何が伝わっちゃうか分からない。
「そういえば、水着コンテストに出てた男子って…みんな結構カッコよかったなあ!」
光平の他にも、男子で2位になった、三年生で水泳部キャプテンの西村和也。彼は水泳部女子達の憧れの的で、一年生で唯一人、紗綾香がエントリーしたのも、“水泳部代表として一緒に出よう”という和也の強い誘いがあったからと聞く。とても手が出せそうにない。
クラスメイトの長瀬修も3位になっただけあって、なかなかのイケメンである。しかし、彼はどうも泉に気があるみたいだ。
「泉は長瀬くんのことをどう思ってるのかな?」
遥は、今度会ったら泉に聞いてみようと考えた。
「それにしても麗美先輩…うらやましいなあ!」
遥は、更衣室内における麗美と光平のやりとりを思い出し、自分の身体のヘソの位置に手を当てていた。
「おヘソなんかなめられて…そんなに気持ちいいのかな?」
「遥ちゃん、何してるの?」
優奈が近付いて来て、遥に声を掛けた。