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貧乏少女を幸せにする方法
官能リレー小説 - その他

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貧乏少女を幸せにする方法 6

睦月ちゃんは湊さんの言ったことをしっかり聞いていたようだ。
すべて正直に話すのか?湊さんに無言でそう視線を送る。

湊さんも黙って軽く頷いた。

「お嬢ちゃんたちのご両親は、行方不明なんだ…最悪のことを言ってしまうと、この世にいるかどうかも分からん」
湊さんは真面目に、低いトーンで話す。

もちろん湊さんにさっきまでのおちゃらけた雰囲気はない。
睦月ちゃんはしっかりと、真剣な眼差しで湊さんの話を聞いている。

「それで、ご両親は我々との間に多額の借金をしていた」
「はい」
「その額については、こっちの岩川の坊ちゃんが説明したと思う」
「はい」

「借りたもんは返すのが常識なのは、お嬢ちゃんたちでもわかるはずだ…でも、お嬢ちゃんたちにそれを返せというんは、あまりにも酷な話だな…正直俺もしたくはない」
「ですが…」
「ああ、お嬢ちゃんたちに返す義務はないよ…俺らで何とかご両親の居所を突き当てる…お嬢ちゃんたちはそんなご両親のようにならんよう生きて行ってほしい、それを坊ちゃん、一緒にやってってくれるよな?」
「勿論です」

「ありがとうございます」
睦月ちゃんは僕らに向かって深々と頭を下げた。
「私たちにここまで気遣いしてくださって、本当に感謝します。父や母が借金をしていることはまったく知らなくて最初は驚きました…」
顔を上げて話す睦月ちゃん。その顔に初めて出会ったときの涙は見られない。

「お嬢ちゃんたちは変わらず頑張っていけばいい。最近は学校にも満足に行ってないんだろう…みんなを普通の生活に戻してやるのが一番先だね」
湊さんは言う。


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