PiPi's World 投稿小説

貧乏少女を幸せにする方法
官能リレー小説 - その他

の最初へ
 1
 3
の最後へ

貧乏少女を幸せにする方法 3

「えっと…」
コホンと咳き込んで、僕は彼女たちに告げようと…

「わ、私たちには、無理です…」
睦月ちゃんが瞳をウルウル…いや、もう涙ボロボロの表情で僕を見つめる。
やめてくれ、それでなくても心が痛い。

「わかってる。事情は説明するから…君たちが辛い思いをしないよう、僕も努力するから」
「お願いします…」
愛華ちゃんも震える声で言った。

その日は彼女たちにそれだけ告げて帰った。
できることなら涙はもう見たくないな、そう思わされた。

次の日、僕は依頼主であり彼女たちの親にお金を貸した社長の元に赴き、経過報告を行った。

「そうか…ご両親が行方不明で、娘さんたちだけで暮らしてるわけか…」
「借金のことを話したら、私たちには返せない、無理だと言って、泣いてしまって」
「そりゃあそうだろう…まだあの歳では、一番下の子は小学生だろう」
社長も沈痛そうな面持ちで頷いた。

「両親についてはこちらで探すことにしよう…岩川くんは、娘さんたちのケアをして欲しい」
「ケア…?」

社長から意外な言葉が出たので、僕は驚いた。

「彼女たちは両親をはじめ頼りにしている大人たちがいなくなって、精神的に厳しい状態のはずだ。それに、借金の事実も知ってしまってますます追い込まれているだろう…そんな彼女たちの心のケアをして欲しいんだ」
「なるほど…」
「私も娘さん達は傷つけたくはないと思っているんだ、岩川くんにはその分も報酬をつけるよ」
「あ、ありがとうございます」


…そんな話があって、1週間ほど。
僕は再び彼女たちが暮らす寂れきった一軒家に足を運んだ。
…見るからに時間の問題ではないかと思ってしまうが、そこはどうなのか。

「こんにちは、誰かいるかい」
ドアの前で一声かける。

「あ、岩川さん…?」
「やあ、愛華ちゃんだね」

愛華ちゃんは恐る恐る扉を開いて少しだけ顔を覗かせた。
前にいるのが僕だとわかると、ドアを完全に開け、薄く笑顔も浮かべていた。

「久しぶり、状況はあれから…変わってないか」
「はい…でもそれが一番いいと思ってます」
「3姉妹は中にいる?」
「はい」

愛華ちゃんは僕を中に招く。
初対面のときの緊張はなくなったようで、こちらも安心した。

SNSでこの小説を紹介

その他の他のリレー小説

こちらから小説を探す