PiPi's World 投稿小説

貧乏少女を幸せにする方法
官能リレー小説 - その他

の最初へ
 0
 2
の最後へ

貧乏少女を幸せにする方法 2

「こっちです…」
「ありがとう…あと、そんな悲しい顔はしないで」
睦月ちゃんの両肩に手を当て、なるべく優しく言う。

奥にあるリビング。
そこに、睦月ちゃんの妹2人と従業員の娘だというもう1人の同居人の女の子がいた。

妹さんはそれぞれ中学生と小学校高学年くらい、同居人の女の子は睦月ちゃんより背が高く、1つか2つ年上に見える。

「えっと…妹の弥生と皐月、それに、新海愛華さん、です」
睦月ちゃんが3人を紹介してくれた。

睦月ちゃんたち3姉妹はいいとして、この愛華ちゃんがここにいるのはなぜか。

「あの…」
その愛華ちゃんが先陣を切って僕に話しかけてくる。
「うん、事情はちゃんと説明する。それより、君は水越さんのお家と関係があるの?」
「はい…私のお父さんと、社長さん…睦月ちゃんたちのお父さんは古くからの友人同士で、ここを一緒に立ち上げたそうなので…」

なるほど、一番信頼できる従業員の方なのだろう。
一緒に生活していたとしてもおかしくはないかな。

「あの、お父さんたちは…」
真ん中の妹、弥生ちゃんが震える声を絞り出すように言った。
「僕も知らない…僕も人に頼まれてここに初めて来たから」

僕だって普段は普通に大学生やってるんだ。
たまたま父さんの知り合いに割りのいいアルバイトがあるって紹介されたのが…この取立てだもの。

…改めて、目の前の4人の表情をうかがう。
今から彼女たちに苦しい事実を突きつけるのは、いくら仕事であろうと心が痛む。

「ええっとね…」
僕は持っていたカバンからクリアファイルを取り出し、一枚の紙を彼女たちに見せる。
「…えっ」
「そんな…」
睦月ちゃんと愛華ちゃんはそれを見て、絶句する。

「睦月ちゃんたちのお父さんが、今までに抱えた借金…これだけあるんだ」

「い、いくらあるの、これ…」
一番年下の皐月ちゃんが震える声で、周りのお姉さんたちに尋ねたようだ。
しかし、そのお姉さんたちはその金額の多さに絶句してしまっている。

「…こんなに」
睦月ちゃんが必死に声を絞り出す。
「知りませんでした…お父さんたちは、そういうのを私たちに見せることはなかったので…」
愛華ちゃんはあくまで気丈に振舞おうとするが…やはりその声は震えている。

彼女たちに、この現実は受け入れられないだろう。
僕も自然と視線を合わせづらくなる。

SNSでこの小説を紹介

その他の他のリレー小説

こちらから小説を探す