不思議なノート 16
困惑の表情の深井。それをよそに、深井の頬にキスをする浅尾。
深井の表情は苦笑いに変わる。
立ち上がって歩き出す浅尾。深井はその一歩後をついていく。
俺は、ノートには、こんなようなことを書いた。
『浅尾雅は、深井昌史に“誰にヤラせるか、アタシが決める。今日は、昌史に、ヤラせてあげる”のようなことを、上から目線で言う』
これだったら、浅尾のもとの性格ともあまり矛盾しないだろう、と考えたのだ。
俺は浅尾と深井の少し後ろを、用心深く追いかけた。
深井の父親は一流企業の社長。成績も優秀だし評判もいい。
浅尾と違うのは、同性からも異性からも好かれる人間であるということか。俺も彼には嫌悪感は抱いていない。これは本当だ。
2人はしばらく歩くと、高級高層マンションへと入っていった。
確か、深井の家はここだったな。
残念ながら追跡はここまでかな…
これで十分だ。
カースト最上位で扱いにくい2人がくっついてくれる方が何かと都合いい。
確認だけした俺は家へと帰ったのだ。
この時間、姉さんはまだ帰っていないが、非番の母さんは家にいる。
俺が家に入ると、玄関に出て来たのは母さん・・・
だが、俺の知っている母さんでは無く、一瞬戸惑ってしまったのだ。
俺の知ってる母さんは眼鏡をかけて髪を纏めた家庭的な女の人。
いつもニコニコして頼まれた事は嫌と言えない押しの弱いタイプ。
だから男にだらしないのも押し切られてしまう性格のせいだと思っていた。
でも、今目の前にいる母さんは違った。
眼鏡は外し、髪は下ろし、化粧はばっちり。
赤い口紅を付ける所なんて見たことがなかった。
そして服装もボディラインを強調するような恰好・・・
スタイルはほぼ姉さんと変わらない奇跡のボディだ。
「おかえり達弥」
「母さん・・・どうしたんだよ・・・」
戸惑いながら聞く俺に身を寄せてくる母さん。
香水なのか、凄くいい匂いがする。
「ふふ・・・達弥と二人きりだから・・・頑張っちゃった・・・」
甘い吐息でしなだれかかる母さん。
その仕草は母ではなく女だった。
それで俺もようやく理解した。
母さんは押しが弱いんじゃない・・・
実は超肉食女だったんだ・・・
普通なら自分の母親がビッチだと知ったらドン引きだろうけど、今の俺はこの母さんに興奮していた。
「なんだよ・・・男に相手されないからって息子食う気かよ」
「あら?、達弥が食べちゃいたいぐらいいい男だからよ」
母さんはこの年齢にして垂れの無い奇跡のロケット爆乳を押し付けながら、俺の股間をズボンの上から撫でまわした。
いや、これ最高だ・・・
俺は自然と母さんの腰を抱いていた。
勿論、股間の方は痛いぐらいに大きくなってきた。
ノートに書いた文言を少し放置していた。
母さんはずっとこうしていたいと思っていたのだろう。
俺だって…母さんとこうなりたくない、なんて言うとそれはまったくの嘘になる。
母さんは母さんだ。しかし、女なのだ。
母さんを1人の女として愛したい、その欲望を叶えるのは、今なのだ。