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不思議なノート
官能リレー小説 - その他

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不思議なノート 15

性格を矯正してしまうと周りに不信感を持たれてしまうのだ。
無制限に自由にできるならいいけど、ノートはそこまで万能でない。
特に男子が操れないから使い勝手を考えながらやらないといけない。

「慎重に考えないとな・・・」
「ああ、それでさ・・・お前に頼みがあるんだ・・・」

日笠がちょっと言いにくそうに俺に話を振ってくる。

「どうした?・・・お前の頼みなら尻を貸せ以外は大概は聞けるぞ」
「ちょ?!、お前の尻とかいらねーし!・・・そんな話じゃなくてそのノートの力を借りたいんだよ・・・」

日笠だって男だ。
自由にしたい女の一人や二人いたっておかしくない。

「うん・・・で、ターゲットは誰だ?」
「いや、俺の妹なんだけどさぁ・・・」

日笠家も俺と同じ母子家庭で、家庭事情的に学園カーストの最下位扱い。
そんな事もあって仲がいいから妹だって見知ってる。
日笠の妹は一言で言うと・・・マジ天使。
コイツがとても可愛がってるのは知っている。

「ああ、俺もそう言うケースで操れるのか興味あるし、お前の頼みだしな」
「頼むよ・・・妹に彼氏でもできる想像しただけで死にそうなんだ・・・」

こんな事をしなくても俺の味方になってくれる日笠だけど、これはいい方法かもしれない・・・
男が操れないなら、女を使って男を操る・・・

そう考えればやる価値は高まるだろう。
俺はノートに書き込みをすると、放課後に日笠と一緒に日笠家へ向かったのだ。


日笠家の扉の前・・・
俺は興味津々、日笠はかなり緊張している。
その緊張した手で日笠が扉を開けて、『ただいまー』と声をかけると、どたどたと走る足音が・・・

「お兄ちゃん!、おかえりっ!!」
「どあぁっ?!!」

抱き付いてくる日笠の妹。
兄妹仲が良いが、もう中学生でこんな反応する妹じゃなかった。
しかも妹の兄を見る目は完全に女だ。

「あら、アキちゃんおかえり」

少し遅れて現れた日笠の母。
そして当然のように日笠に抱き付く。

「あっ!、ママっ!!・・・私がお兄ちゃんと抱き合ってるんだからっ!!」
「いいでしょ、ママだって抱き合いたいんだから」

アワアワ言って赤くなる日笠を見ながら、効果を確かめて納得する俺。
そして効果を確かめた邪魔者の俺は玄関から出る。

何と書いたか。

『日笠伊織、日笠美佐子は日笠昭文を男性として強く意識している』

…以前、俺が母さん(望月弥生)に対して書いたのと同じこと。
そういえばあれから何のアクションも起こしていなかったけど、母さんの視線は以前に増して気になるようになった。

これでノートの効果はわかった。
対象を女性にすれば、自分のみならず第三者の男も操ることは可能だ。

 俺は、まず男のカースト最上位の一人、深井昌史をターゲットにした。

『浅尾雅は、この後、深井昌史を[近くの公園]に呼び出す…』

 さらに数行書いて、俺はその公園に移動して、木の陰で時を待つ。
 やがて、学校帰りの深井昌史が、そして、浅尾雅が、現れた。

公園には深井と浅尾の他に…物陰にいる俺を除いては誰もいない。
ベンチに座る浅尾、深井と何やら話をしている。
相変わらず高飛車な態度…これがお近づきになりたくない理由だ。

…そのまま数分。
浅尾と深井の距離が縮まり、怪しい雰囲気になる。

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