強運天使が舞い降りた!? 10
「おお…これは…」
包みの中はお弁当だった。
「優香ちゃんはお料理が得意なんだって。」
「得意…なんてお料理くらいだから…。そ、その、先生の好きな食べ物と分からなかっから適当に。」
ふたを開けてみると、ちゃんと、きれいに分けられているし。いい匂いもする。
「食べていいの?」
「は、はい!!もちろんです!!」
試しにおかずの唐揚げを食べてみる…美味しい。
「うん、美味しいよ…僕が全部食べていいの?」
「はい…先生のために作ったので…」
弁当を食べ終わる。
そろそろ昼休みも終わりそうだ。
「ごちそうさま。おいしかったよ。」
「ほんとですか?喜んでくれて私もうれしいです!!」
「じゃあ、行こうか?」
3人で食堂を出ると廊下で桐山先生と鉢合わせになった。
「あ、桐山先生」
「すいません佐藤先生、ちょっとお話いいですか?」
「ええ…」
エリサと優香を先に行かせて、2人になる。
「水泳部の件、ありがとうございました」
「いえ…桐山先生、ご存知でしたっけ?」
「あ…聞きました…それに、私も顧問を任されたので…」
あれ?桐山先生も?ってことは顧問が2人いることになってしまうのでは…
まあ、僕はまったくの素人だから、誰かいるほうが心強いけど。
「この学校に来て初めて任されたので、手伝ってくれる先生を探してもらっていたんです」
「ああ、そうでしたか」
「ありがとうございます、佐藤先生」
そして、放課後
僕と桐山先生は部員たちが待っている室内プールに顔を出した。
桐山先生は水着を着てきたようだ。
その上にジャージを羽織っている。
…僕は普通にスーツのままだ。
…こうして見ると、桐山先生は小柄だけどむっちりとしていていい身体というのが一目でわかる。
女子部員達も水着に着替えて更衣室から出てきた。
水着に関しては特に規則はなく、皆それぞれ自分のものを着ている。
色もデザインもさまざまだ。