そして、少女は復讐する 9
…話が変な方向へ誇張されてしまうのはいかがなものかと考えるが、アケミが自分を慕ってくれることに関しては悪い気分はしなくなった由佳里であった。
鉄也は由佳里の唇を貪りながら片手をスカートの中に潜り込ませる。
「んんっ、んっ、んっんぅっ」
由佳里は喉を鳴らし、身体をヒクヒクと仰け反らせる。
鉄也が唇を離すと、恍惚の表情で彼を受け入れる由佳里の姿があった。
悠馬は俯いて、視線を逸らせることで精一杯。
「しばらくは2人の世界っスね」
アケミは溜息ひとつ吐くと、コーラサワーをグッと一杯飲み干した。
…その後は、いつものごとく、である。
今日は合計3回。
膣に、口内に、顔面に満遍なく鉄也の精液を受け止めた。
気がつくと、日はすでに暮れていた。
「目、覚めたっスか?もう真っ暗になっちゃうんで、急いで帰りましょうかぁ」
佇んでいたのはアケミ―本名・笹倉暁美―ただ一人。
「…彼は?」
「鉄也さんなら、用事があるんでもう帰っちゃったっス。まあ、用事ってほど急でもないんスケド」
「どういうこと?」
「鉄也さんのお母さん、体が弱くて、兄妹の面倒も鉄也さんが見なくちゃいけないんスよ」
「そうなんだ…」
知らなかった。
鉄也が根っからの悪に見えなかったのは、そういう面があったからかもしれないと、由佳里は思った。
「由佳里さん家、うちの近くなんで、送ってやってくれって鉄也さんに頼まれたんス」
暁美はそう言って笑って見せた。
その暁美と帰途につく途中。
「あー、アケミとユカリン!」
そう声をかけてきたギャル。
彼女以外に2人、見るからにギャルだ。
「チーさんとミカさん、それにカナじゃん」
暁美がそう答えた通り、いわば彼女達の仲間。
チーさんこと岩間千恵子は由佳里と同学年の違うクラス。
Dカップの美乳で金髪ガングロ。
ブラがチラリと見える胸元とパンツ見えそうな短いスカート。
彼女は鉄也のヤンキー仲間のオンナで見た目がアレだが、中身がいい子で仲良くはなれた。
ミカさんこと上尾美香は千恵子と同じクラス。
長身で目つきが宜しくないので、どこかスケバンぽさがある子だが、この子も悪い子ではない。
彼女も鉄也のヤンキー仲間のオンナで、それが出会いのきっかけ。
よく食べるのに栄養は胸しかいかない羨ましいタイプで、由佳里程でないが巨乳だ。
そしてカナこと三浦夏菜は暁美と同じクラスの女子。
目鼻立ちがハッキリした子で、ちょっとビッチ臭がするが、かなり奥手で暁美や知恵子、美香があれこれ世話妬いてるらしい。
「ユカリン、今から帰るとこ?」
「うん、もう遅いから」
千恵子も美香も同学年でクラス違い。
見た目や言動は兎も角、裏表のない子達で、由佳里にとって初めてできた友人のような存在になった。
初めて会ったのが鉄也とのセックス中で、由佳里だけがびっくりする中、千恵子と美香は気にせずそれぞれの男とセックス始めたのだった。
それ以来、ある意味裸の付き合いだった。
「ユカリン、顔貸せね?・・・今からカラオケだしさ」
こう言うお誘いは結構ある。
でも、今回はちょっと様子が違った。
彼女達の表情を見てると、『カラオケ屋で密談』と言う感じだ。
「うん、一旦帰ってからでいい?」
「じゃ、それで・・・ウチらも付き合うわ」
ゾロゾロと5人で移動。
見た目的には一人浮いている由佳里だが、さほどこの子達の中で居心地が悪い訳ではない。
何より裏表の無いのが凄く気楽だった。
由佳里はいったん家に帰り、このあとの用事を母・麻由美に伝える。
「友達とカラオケに行ってくる」
麻由美も少し驚いた。
娘の夜遊びは少々ならずとも心配だが、今までが人付き合いがまったくなかったことのほうが麻由美にとっては心配事だったので、「気をつけてね」と一言かけて送り出した。
由佳里は最低限の持ち物だけ持って家を出た。
門の外で暁美ら4人が待っている。
「お待たせ」
「じゃ、行こうか」