PiPi's World 投稿小説

そして、少女は復讐する
官能リレー小説 - その他

の最初へ
 60
 62
の最後へ

そして、少女は復讐する 62

その日は食事しながら新作映画の話でもちきり。
敦経由でその映画のチケットを4枚貰った悠馬が里菜といくつもり。
そして残り2枚をどうしたものかと言う話になって、そこで意を決したように竜馬が真琴を映画に誘ったのだ。

満更で無く微笑み頬を少し染める真琴が『結婚前提でお付き合いする方でないと、殿方とはちょっと・・・』と誘い受けするような台詞・・・
この餌にまんまと引っかかったような竜馬だったが、その返しは悠馬の想像の斜め上だった。

『なら結婚してください!』

階段をブッ飛ばしてしまうような竜馬の言葉に思わず目が点になる悠馬。
真琴も驚いた表情をするが、すぐに笑顔に戻り『はい』の一言。
喜び舞い上がる竜馬に無邪気に喜ぶ姉妹達。
だが、悠馬と里菜は顔を見合わせて複雑な表情。
そして、真琴を見るとまるで勝ち誇ったような笑み・・・

チケットの件からして『仕込み』の強い話だった。
まさかプロポーズとまで行くとは、そこまで計算はしてなかっただろうが・・・

「ババァと優華、満里奈は長坂家の籍に入ってお前の家で住むぜ・・・相談したい事ってそれだろ?」
「う・・・うん・・・」

何か意図があってカップリングを急いだ感がある・・・
それは由佳里と麻由美の件ともリンクしてる気がした。

「鉄也くん、何をする気なの?」
「・・・まぁ、後腐れをなくすのが目的だな」

鉄也の言葉に、何か剣呑なものを感じる。
小田村組残党や半グレ連中とやりあう時期が近付いたという事だろうか・・・

里菜の方がそれを感じ取ったのか、目つきが鋭くなっていた。

丁度その時、麻由美がコーヒーを持ってくる。
勿論全裸のままだ。
そして由佳里の方はと言うと、ソファーに寝そべりながら鉄也の竿を舐め回しながら自分の割れ目を弄っている。
話し合いには我関せず的な無関心であった。

「商店街の中にある長坂家は周辺との密接な関係もあって奴らの暴れにくい場所ね・・・でも繁華街も近いから情報収集にはぴったり・・・麻由美さんを寝取ったからお母様を当てがったのではないようね・・・」

里菜はある程度状況を理解したようだ。
悠馬は複雑な心境のようだが・・・


…翌日。
冬晴れ、風もほとんどない好天。
土曜日なので学校はもちろん休みである。

悠馬は近所にある墓地にやってきた。
ここには幼い頃亡くなった母親が眠っているのだ。

本当なら一人で行きたかったところだが、里菜が自分も行くと言って聞かないので仕方なく連れてきた。
母親の墓の前で、蝋燭に火をつける。
「お母様には報告するの?」
「ああ…一応ね」

悠馬がお墓参りを思いついたのは前日の帰りがけの事だった。

玄関まで見送りには由佳里がついてきた。

「明日ぐらいにお母さんとお墓参りして報告するつもりなんだ・・・」
「あ、そうなんだ・・・」

裸のまま玄関先まで出かねない勢いの由佳里を悠馬が中に押しとどめながら言葉を返す。
悠馬の母と同様、由佳里も父親の記憶なんてない。
それでも仏壇を見る限り亡夫との関係を大事にしてきたと思われる。
だけにけじめをつける意味合いがあるのだろう。

「僕もお墓参り行こうかな・・・」
「そうするといいと思うよ・・・特に悠馬くんは迎える側なんだから・・・」

由佳里の父、桂馬の位牌はお寺に持っていくつもりであったが、鉄也が『ウチにおいてけ』の一言で桐間家の仏壇に入れて貰える事になったようだ。

そうやって由佳里も過去と決別しようとしている。
自分はどうなのだろうか・・・
悠馬は墓に手を合わせながら考えていた。

横で里菜が同じように手を合わせている。
そして悠馬の方を向き、細い目を更に細めて微笑む。

里菜も初対面の時とは印象が随分変わった。
すこし気だるそうな目つきが悪いだけの少女。
表情も乏しく、顔の造形は良いが魅力的とは感じなかった。
でも今は素直な笑顔で、細い目が垂れ下がり可愛らしく思えるようになったから不思議なものだ。

態度も最初の頃は捨てられたくないと必死で縋って顔色ばかり窺っていたのに、今は相当余裕ある態度になっていている。
悠馬が色んな女と関係をもっているのにである。

「悠馬に嫁がせてくださいと挨拶したわ」

最近は各方面から夫婦扱いされてるけど、別に嫌ではない。

「僕なんかでいいの?・・・これだけ浮気者のヤリ○ンなのにさ・・・」

里菜に悪いと思いつつも流されてるが、むしろ里菜の方が悠馬と他の女をセックスさせる事に熱心である。
それは捨てられたくないからそうしてるのかと思った時期もあったが、そうでもないようだった。

「私には悠馬しかいないの」

簡潔な言葉。
自分自身のその言葉を微塵にも疑いを持っていない表情。

SNSでこの小説を紹介

その他の他のリレー小説

こちらから小説を探す