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そして、少女は復讐する
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そして、少女は復讐する 56

それはそれ千恵子の良くできた彼氏、敦はフムフムうなづきフォローを入れる。

「どちらかと言えば君は悠馬側の人種だからね、無理に合わせる必要はないさ。」
「あっ!ズルいぞ敦!そうやってまた紳士ぶって点数稼ぎ!」
「お前に誠意とかそういった要素が足りなさ過ぎるだけだ。」
「何を言う!傷ついた心と体を隅々まで癒そうという俺の情熱が解らないのか!」

横から口を挟む健二のチャラ男っぷりも、ここまで飛び抜けていると寧ろ逆に好感が持てるぐらいだ。

「あははは…まあこんな奴らだから安心できるべ?」
「うん、援交で初体験とかちょっとアレだしね…。」

この界隈、援交で処女を捨てる女子高生と言う話、場にいた面子の脳内で何かが引っかかる。
千恵子は鉄也に股ぐらをこねまわされながら麻衣子に訪ねる。

「いやまさかマイマイの口からそんな話が出るとは。」
「事故に遭うちょっと前かな、彼氏いない女子の間でそういう話が出てたの。」
「そういうの紹介してくれる子がいるってか、怖いさねー?」
「うん、私もちょっと不安で断っちゃったけど。」

これは川島遥の援交斡旋の手がかりではないだろうか。
少なくとも麻衣子は健二と敦が現場で見かけた地味目な女生徒達と近い雰囲気。
川島遥のコネクションや顧客のニーズから接触があってもおかしくはない。

もしそうだとしたなら、おそらく麻衣子の事故は見せしめの類、という可能性まで出てくる。

まだ麻衣子とは普通の親友、千恵子は深く聞かない事にした。
そして、さっきまで地味キャラ処女を目の前にハシャいでいた健二の表情が少し険しい、姉の件を思い出したのだろう。

そして坂下麻衣子が危険な状態にあるのではないか。
鉄也にしなだれかかり我を忘れ喘いでいる由佳里や、ありあわせの材料でサンドイッチを拵えている悠馬ですら、その危険性を理解していた。
敦が言った通り麻衣子は悠馬や由佳里と近い立ち位置の人間、それだけに尚更である。

千恵子が偶然とは言え、様子がおかしい麻衣子を鉄也グループの元へ連れてきたのは正解だった。

川島遥や半グレとの関係は不明でも援交絡みなら何かある。
千恵子が目配せすると敦は彗にメールを送り、交通事故と加害者の背景を調査するよう命じた。
台所の悠馬もまた里菜や暁美を通して他のメンバーに現状を知らせる。

こうした状況、健二にもまた大事な仕事がある。
ピリピリした様子で麻衣子を不安にさせないよう、表向き普段通りの態度で口説きにかかる。

「マイマイ、オレと楽しい事しようぜ」

イケメン肉食男子健二の笑顔に麻衣子はタジタジ。
思わず後ずさった麻衣子は何かに躓きよろめく。
そこをがしっと抱きしめられた。

彼女を受け止めたのは鉄也だった。
いつの間にそこに立ったのか分からぬぐらいの早業で麻衣子を受け止め、そのままひょいと抱えてお姫様だっこ。
その間、麻衣子は叫ぶ間もなかったぐらいだ。

「あわわわわっっ?!!」
「よく頑張ったな麻衣子」

麻衣子を抱えたままソファーに腰掛け膝の上に乗せた鉄也。
怖いイメージしかない鉄也の優しい声に優しい手つきで頭をなでなで。
身体を強ばらせた麻衣子の緊張が少し緩んだ。
そのまま頭や背中を優しく撫でる。
一切性的な行為は無い。
ただ、麻衣子を落ち着かせ安心させるだけの行為だった。

麻衣子も身体を強ばらせていたものの、だんだんと落ち着いてきた。
それを見て健二が肩をすくめた。

「鉄也は本当にこう言うの上手いよなぁ」
「お前がガッつき過ぎなんだよ」

どちらも処女よりビッチな敦と健二。
対する鉄也は『処女殺し』と言われるぐらい扱いは上手い。

肩、背中、髪の毛…優しく撫でているうちに麻衣子の目がトローンとしてきた。

「桐間くん…?」
「いや、鉄也、のほうがいいな」
「鉄也くん…」
鉄也の膝の上で抱かれる麻衣子、その頬がほんのりと赤くなる。

「千恵子、本当にいいのか?」
「ああ、鉄也なら安心して任せられるべ」

その言葉を聞き、鉄也は優しく麻衣子の頬を撫で、顔を近づけると、そっと唇を重ねていく。

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