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そして、少女は復讐する
官能リレー小説 - その他

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そして、少女は復讐する 47



そして・・・

時は過ぎ、少し肌寒くなった頃。
あの廃工場の事件からは既に2か月。
美咲の暴走からも1か月程。
由佳里の周りは平和そのものだった。

停学が余程堪えたのか、美咲達があの一件以来何かしてくる事も無く、ややクラスからも孤立気味。
やや気になるのは美咲と遥がやや接近気味なのだが、あの一件で取り巻きも含めてクラスから敬遠され気味の美咲だから受け入れてくれる相手とつるんでると言う事かもしれない。
むしろ遥をトップに美香を取り込んで派閥化したと言う向きもあるのだが、鉄也によると『関わらなくていい』らしいから、少し怪しげな遥と言えど、絡んでこない限りは特に由佳里としてやる事は無い。

そして、担任の小百合は『体調不良』で休職。
影の薄い副担任が代役を務めているが、元々小百合自体も何もしないので問題はなかった。
これも、いじめ問題を有耶無耶にしたい学校側の措置と見る向きもあって、特に問題にする気もなかった。

と言う事で、相変わらずクラス全体からは受け入れられている訳でない由佳里だったが、多少会話程度の相手や悠馬や里菜が間に入ってくれたりするので平穏そのものだった。
ただ、美咲の逆襲は警戒して、あれ以来鉄也が由佳里の家にほぼ住み込み状態。
これには由佳里より麻由美の方が歓迎で、ほぼ毎晩母娘の親子丼と言う生活になっていた。
そんな事もあって、人生の中で一番充実してるかもしれない時期を由佳里は過ごしてる訳だ。

そして、クラスに友達は殆どいなくとも、美香や千恵子、それに一希や翼と言う親友ができたから余り気になる事もなかった。
ただ美香や千恵子はそれぞれのパートナーといることも多いので、今では自然とつるむのは翼と一希が多くなっている。

その日も買い物がてら、ショッピングモールで翼と一希とお茶をしていた。

「最近の『夫婦生活』はどう?、奥さん」

翼にニヤニヤ笑いながら聞かれて思わず紅茶を吹きそうになる。
周囲に誰もいないから助かったけど、あわや大惨事だ。

「どうって、鉄也くんだもの相変わらずよ・・・でも、2人ともいいの?」

由佳里もこの2人と鉄也が肉体関係にあるのは勿論分かってるし、その2人が鉄也を心憎からず想ってるのも分かってる。
嫉妬する気持ちとかより申し訳ないと思ってるのが正直な所だ。

「うん、私達はたまに抱かれるぐらいでいいのよ」
「ええ、好きですけどね鉄也さんは・・・」

あっさりと笑う翼とニコニコする一希。

今でもそうだが、この2人は中学時代からのレズパートナー。
冗談めかして『私達恋人同士だから』なんて言ったりするけど、勿論冗談じゃなく同性の恋人同士なのだ。

その関係が変化したのは中二の頃。
それは里菜によると、『セレブに付きまとう庶民の娘』と言う構図が虐めの対象として最適で、翼に対する虐め、そしてレイプ事件に発展してしまった。

その事で翼と一希がぎくしゃくしだし、一希は更に許嫁問題(敦と)が勃発。
男嫌いのガチレズ一希が何の説明もせず(当然できない訳だが)男の影を感じ始めた翼と感情のままに決別。
2人の関係は一旦破綻したのだ。

その後、レイプに関しては何度か目の呼び出し場所がたまたま怪我で自暴自棄となった鉄也と、そんな鉄也と仲良くなった姉に苦しむ健二のたまり場だった事から、彼ら2人がチーマー十数人を蹴散らし翼を助ける事に。
その暴れっぷりは互いのストレスのままの暴走だったようで、翼によるとドン引きするぐらい激しかったらしい。

そしてそこから鉄也と健二と関係を持ち、男の素晴らしさを知ったのは由佳里と一緒。
そしてあろうことか鉄也と健二。
お節介とばかりに翼と喧嘩別れした一希との仲を修復しようとした訳だ。
まぁ、ガチレズとは知らず声をかけて相当警戒されたらしいが、割とストレートな『翼がレイプされてた』との告白で一希の方が逆に謝り和解。
ただ、この頃には男の良さを知った翼が元の関係には戻れなく、鉄也や健二に抱かれに行く方が多くなっていた。

それに嫉妬した一希が鉄也の所に感情のまま乗り込んだのだった。

「ああ、そんな事あったよね」
「自分の青さに嫌になりますわ」

昔話をしながら笑う翼と苦笑いの一希。
結果は勿論、一希が男の良さを知ることになった訳である。
それに鉄也にしろ健二にしろ、一希の身体しか興味ないと言う徹底ぶり。
むしろ家の地位や財力にしか興味を示さない男ばかり見て、男に不信感持っていた一希も、その潔いばかりのオスっぷりに逆に彼らに心惹かれるものを感じてたのだ。
それ以来、翼と2人鉄也の女となり、呼び出されるままに抱かれる日々。
そうなってからの方が翼一希は、より仲良くなった気さえする。

「ま、すべては鉄也と健二のおかげなんだよなぁ」
翼がカップに残った紅茶をくいっと飲み干す。

「ええ、そうですわね」
一希もお皿に残ったケーキを食べながら言う。

不思議なものだ、と由佳里は思った。

世間一般から見たら評判は最悪であろう鉄也と健二。
しかし、そんな最悪の人間に助けられたのが自分含め複数いるんだと。
そう思うと世間の評判なんて当てにならない。
鉄也や健二には一般論では知ることのできない良いところがあるわけだ。

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