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そして、少女は復讐する
官能リレー小説 - その他

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そして、少女は復讐する 40

ただ、穏健派が由佳里の味方と言う訳で無い。
悠馬だって一応穏健派に当たるし、川島遥もそうだ。
彼ら彼女らは『平穏な学生生活』を送ることを最重要視していて、それを阻む者が敵な訳である。
由佳里の苛めを見逃してきたのもまさにその為・・・
彼ら彼女らは殆どが真面目ではある。
しかし、そうやって問題の本質に向かい合わない保身的な部分や下衆さも持ち合わせている。

だが、このやりすぎ感は彼ら彼女らの敵が桜木派となる可能性だってある。
眉を潜めつつも、様子を窺う所に由佳里達が到着した。

「・・・派手にやったわねぇ」

半ば他人事のような口調で呟く由佳里。
呟きにしては多少大きな声で、それは桜木派を苛立たせるのには十分だった。

「最近不良ぶって机放り出すなんてよくやるよね!、さっさと取ってきたらどう!」

わざと大きなため息を吐いて美咲が言う。
その目には苛立ちが映っていた。

「あ、ご忠告ありがとう・・・勝手に動く机でゴメンね」

言い返せるようになったのは由佳里の成長かもしれない。
そして、それが更に苛立たせるのを知ってやっている辺り負けてはいない。

里菜が何も言わないながらも細い目を開き、悠馬の口元が綻ぶ。
クラスの他の生徒も何も言わないが、空気は由佳里の方に利があるようだ。
由佳里は元来空気を気にしないタイプだが、桜木派に全体が賛同してない事は見て取れた。
ただ、その他大勢が決して敵でないにしろ味方でも無い事は経験で理解している。

きびすを返し机を拾いに行く由佳里。
悠馬と里菜もそれに続く。
最近の悠馬は割と由佳里と近いと見られているし、もうそれを気にする程でもない。
何より少年らしい正義感がこれを許せなかった。
里菜に関しては悠馬が行くからと言う関係性と、彼女の場合頼るものなしに生きれない部分とがある。
なのでこの行動となったが、若干怯えもあった。

兎も角、投げられた机を回収に行く。
散乱したものを回収するが、壊れ物は置いていない。
回収して机を悠馬に手伝って貰いながら運んで教室の前まで来ると、穏健派に当たる女子生徒の一人が由佳里に近づいてきた。

「ホームルームが終わって次の体育の授業の用意手伝って欲しいんだけどいい?」

彼女は今日の日直のようで、こんな手伝いはたまにある。

普段は仲の良い子同士で助け合ってやってるのだが、彼女も特に友達が多い訳で無い。
それでも由佳里に頼むのは珍しい事だが・・・

「うん、手伝うよ」
「ありがとう、体育倉庫までついて来てね」

彼女は済まなそうにそう伝えると教室へ入っていく。
由佳里も悠馬と里菜も机を運びながら教室へと入って行った。


そして、ホームルームが終わり体操服に着替え。
桜木派が何かする訳でも無く、そそくさと更衣室を出ていく。
そして由佳里は日直の子と体育倉庫へ。

「奥からバレーボールの籠出してくれるかな?、私ネット用意するね」
「うん、この奥ね?」

由佳里が奥へと行くと、後頭部にゴツンと凄まじい痛み。
目がチカチカして頭がクラクラとした瞬間、口元を塞がれる。
そしてガムテープで乱暴に目元と口元が巻かれた。

身を捩って抵抗しようとしたら、今後は腹に衝撃。
思わず力が抜けた瞬間、床に叩き付けられた。
レイプされた時もこうだった・・・

乱暴に体操服の上下をはぎ取られてもがきながら由佳里は抵抗するのだが、襲う彼らは容赦なく殴り蹴る。
ここまで直接的にやられるとは由佳里も予想外だった。
痛みに抵抗が弱まると彼らは強引に由佳里を裸に剥き、ガムテープで手足を縛りつける。
そして床に転がる由佳里を襲撃者が何度か蹴り踏みつけると、慌ただしく去って行った。

その間、数分にも満たない・・・
由佳里は痛みに呻くしかなかった。

彼らの目的は何だろうか・・・
確かに誰が襲撃したか分からないだろうが、こんなことして由佳里が授業に出れなければ問題となるだろう。
それもどうにかできるからこの襲撃なのか・・・
頭の中で色んな考えが巡るが、これと言った答えは出ない。
まずは、この状況をどうにかしないといけない。


…あの力からすると、おそらく男数人の仕業。
一緒についていたあの彼女は奴らの軍門にあったのか…

…なんとかしようにも身体が動かない。
腕も足も激しい痛みが治まらない。
息をするにも苦しい。
肋も数本逝っているかもしれない。

これが恐れていた桜木美咲の暴走なのか、由佳里にはまだわからなかった。

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