PiPi's World 投稿小説

そして、少女は復讐する
官能リレー小説 - その他

の最初へ
 34
 36
の最後へ

そして、少女は復讐する 36

「ほー、あんな真面目でいい子ちゃんがねえ」
「ここらじゃ有名な援交仲介人って感じだな」
にやつく美香に敦が説明する。

「コイツをつければなんか手がかりがつかめるかね?」
「さあ?でも行ってみて損はないんじゃね?」
健二と千恵子も言う。

「千恵子と美香は由佳里ちゃんを鉄也のとこまで送ってくれ。健二と俺であの川島の様子をうかがってみる」
「了解。何かあったらすぐメールね」
「わかってる」
敦と千恵子がそう言い合い、二手に分かれての行動となった。

敦と健二もその場から動かず煙草に火を点ける。
私服の彼らは一見、ここいらで働く男たちの休憩程度にしか見えない程、街に溶け込んでいた。

その2人が見るでもなく様子を窺っていると、1人の男が遥に近づいてくる。
若い男・・・
どうもまっとうな職業ではない輩だ。
遥はその男を見るとごみ箱から飛び降り、腕を絡める。
表情までは見えないが、嬉しそうな様子が見て取れた。

「・・・アレがやらせてんだな」
「ああ、あれはクサい奴だ」

こんな所で生きていれば相手がどんな奴かは想像できる。
少女売春なんてリスクの高い事はまともなヤクザなら手を出さない。
つまり半グレ連中だろう。

「軽く当たりをつけて鉄也と話すか・・・」
「そだな、相手が分からんからな」

2人は何気なさを装いつつ後をつける。
こうやると街に溶け込み、傍目からはまず分からない。
由佳里を取り巻く状況は思ったより大事かもしれない・・・
2人もそんな予感がしていたのだ。


一方、ラブホに向かった女子3人。
とあるラブホにつくと、入り口でなく裏口へ回った。
そこで呼び鈴を鳴らす。
扉がすぐに開き、出てきたのは夏菜だった。

「姐さん達、ちぃーすっ!」
「カナっぺ、遊びにきたべ」

笑って答える美香、目を丸くする由佳里。
まず中学生がいる場所じゃない。

「ここはカナの親父さんのラブホなんだよ」

千恵子の説明。
夏菜の父親はこの繁華街のラブホやカラオケ店の経営者で、その事で苛められもした経験があったらしい。
当時は嫌で仕方なかったらしいが、鉄也達と知り合い、彼らが利用する事でこうやって店番もするようになったらしい。
因みにいつも利用するカラオケ店もオーナーは夏菜の父だ。

「ユカリン姐さんのママ、綺麗っスよねぇ・・・おチチデカいし・・・どうやったらああなるんスかねぇ・・・」

溜息交じりの夏菜の言葉は心底羨ましがってるようだ。
夏菜も別に中学生としては平均的な身体つきより発育はいい。
しかし、ダイナマイトにグラマラス系を見ると羨ましくなるのは女心。

太り気味で『痩せたら綺麗になる』と言われてきた麻由美。
まだ多少腹のたるみはあるものの、顔周りはすっきりして確かに美人になった。
化粧すれば確かに映えるだろう。

「私はスレンダーな子に憧れるけどねぇ・・・」

由佳里も痩せたと言え、その話をされると微妙な感じに・・・
平均体重より上だし、大きな胸や尻は普段の生活には邪魔だ。
どちらも無いものねだりである。

由佳里の言葉に美香や千恵子も声を合わせて『勿体なーい!』なんて言いながら笑い合う。
そして笑い合いながら、千恵子が真面目な顔に戻った。

「鉄也の部屋行く前に聞きたいんだけどさ」
「はいな!、鉄也兄さんなら一番いい部屋に案内してますよ!」

夏菜の言葉に『そう言う話じゃないのよ』と前置きして千恵子が更に言葉を続ける。

「ここ、ウリしてる子とか使う?」
「ウチ高めですからねぇ、安くしたらそんな連中来るからってオヤジが下げないんスよ」

夏菜の言葉に千恵子は考える。
夏菜の父親はこんな場所で生きてる連中の中ではまともな部類。
リスクは取らないタイプだ。
逆に何がリスクでどう言うものか知ってるとも言える。
またいつか色々と聞いてみるのもいいかもしれない。

「じゃ、そろそろ鉄也兄さんの部屋案内しますね」

夏菜がそう言ってエレベータホールに由佳里達を案内する。
そこから最上階へ・・・
そして、最上階の奥の部屋の扉の鍵を開けながら夏菜はにっこり笑う。

「姐さん達、ごゆっくりー」
「ありがとねカナちゃん」

由佳里は礼を言いながら部屋に入る。
そこはかなり広い部屋だった。

丸い大きなベットに一面が鏡のような壁面。
巨大なテレビとエレガントな内装。
大きなサッシ窓の向こうにプールのようなもの。
思ったより豪華なつくりにびっくりする。

「これ・・・最上級の部屋なの?・・・」
「そうだけど、あるものは普通の部屋も同じようなものよ」

驚く由佳里に笑いながら説明する千恵子。
そして、ベットを見ると2人の男女が絡み合っていた。

上半身を起こし煙草を咥える鉄也と、鉄也の胸に頭を預ける麻由美。
恋人同士の情事の後のようだった。

「おう、よくきたな・・・健二と敦は?」
「ちょっと野暮用よ」

美香が答えると『そうか』と一言。
何かを感じ取ったようだ。

SNSでこの小説を紹介

その他の他のリレー小説

こちらから小説を探す