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そして、少女は復讐する
官能リレー小説 - その他

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そして、少女は復讐する 4

女子のいじめ首謀者グループというのはそうしたフットワークが軽く、口裏合わせの情報操作でどうとでもなる。
下手に不良や人脈のある生徒をいじめに荷担させないのもそんな都合だ。
そもそも今回、実行犯が消えて『あいつら』は手間が省けたと、ほくそ笑んですらいるかも知れない。
そうした頭数集めを引き受けていた桜木美咲、表向きは姉御肌のスポーツ女子で通っている『あいつら』の一人で長身の女生徒。

『見てごらん?由佳里は童貞くん達の女神様に選ばれたんだよ?頑張れ男の子!』

などと煽りを入れていた、まるで彼等の性犯罪は罪ではないとばかり、あの軽々しい口調は由佳里の耳を離れない。

だが、どうやる。
学校では『あいつら』が正義なのだ。
今の所、由佳里は哀れな被害者の一人であるが、彼らにやり返した瞬間に由佳里の方が悪者にされてしまうだろう。
そこまで狡猾な連中なのだ。

だが、何もせず逃げる選択肢は無い。
ショックから立ち直ったとは言え、母の麻由美はあの日以来、由佳里が犯されていた事に責任を感じてしまっている。
その事が皮肉にも少なかった親子のスキンシップを増やし、絆をより深くした反面もあるが、全てが嬉しい話でない。

それこそその親子関係も向こう側にバレようものなら途端に『マザコン』説という根も葉もない噂が立ってしまう。

「はい由佳里、これ」
「…何?」
仕事から帰ってきた麻由美が由佳里にケーキの入った箱を手渡す。

「なぜにケーキ」
「なぜって…今日は貴女の誕生日じゃない」
「あ、そうか…そうだったね」

由佳里、16回目の誕生日。
あの日のことといい、最近、いろいろありすぎてそれすらも由佳里は忘れてしまっていた。
それと同時に
「(最悪のタイミングだったな)」
素直に喜べない誕生日。

―夕食後、およそ久しぶりの甘味を味わいながら由佳里は考えていた。

私はこの先、どうするべきなのか。
いつまでも逃げていてはダメだ。しかし今のままでは勝ち目はないに等しい。

「…由佳里」
思っていることが顔に出たのだろうか、麻由美が心配そうに話しかけてきた。

「何?」
「辛かったら、学校、辞めてもいいよ」
「あ、いや、はあ、ええ」

唐突な母の言葉。
それに、由佳里は何と答えればいいのか…迷った。

学校を辞める、即ち、逃げると同じことではないのか?
それは断じてしたくないことだ。

漠然としたものではあるが、由佳里には、ある決意が浮かんだ。

「ううん…学校、行くよ…まだ、やり残したことがあるから」

かつて由佳里の父、桂馬も高校生時代に不条理に立ち向かったという。
まだ当時いじめ訴訟の事案が出始めたばかりの頃、勝訴に持ち込んだ上に和解まで成した一例として、新聞にも載り英雄が如く崇められた。
無事卒業進学、しかし社会に出てからが問題だった。

『なんでオマエみたいにヒョロヒョロした奴が評価されるんだ』

男らしさを取り違えた人種からのパワハラである。
そうした人種にしてみれば件のいじめ裁判での英雄視からして納得がいかない。

仕事面でも彼等からやっかみを受ける程、由佳里の桂馬は慎み深くなおかつ行動力があり有能な男だった。
更に職場のアイドルであった麻由美との結婚が、彼等の暴走に拍車をかけた。

由佳里誕生祝いと称した宴会で桂馬は強かに酔わされ、彼を良く思わぬ男達にレイプされた。

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