そして、少女は復讐する 27
男に受け止めて貰いたい女心なのだろう。
「里菜っ!!」
「きて、悠馬くん!」
キスを交わし、里菜が悠馬の背中に手を回すと、悠馬は腰をゆっくり動かす。
「ちっ!、甘すぎて見てられねぇよ!」
「はいはい、ならいい子にしてようね」
不機嫌な暁美のパンツの中に手を突っ込んだ夏菜は、そこを弄りながら胸にも手を伸ばす。
男とだけでなく仲間同士なら女同士でもする。
なので暁美も身体を開き受け入れる。
「畜生っ、コータローとダイキも呼んどけばよかった」
「アタシはヨースケがいいけどね」
徐々に腰のスピードが上がっていく悠馬を見ながら、暁美と夏菜も絡みあう。
悠馬も里菜も苦しそうな声が、少しずつ甘い声に変わってきていた。
悠馬は必死だった。
自分の拙いテクが里菜に受け入れてもらえるかどうか不安で。
ただただ、一心不乱に腰を振り続けた。
目の前の、里菜の顔が大粒の涙で覆われる。
「だ、大丈夫!?」
「いいの…続けてよ…っ、う、ああ…」
里奈もまた、悠馬の行為に身を委ねる。
嬉しかったのだ。
こうやって抱かれるのが。
モノ自体はケダモノ同然、しかし目の前の彼はしっかり愛を持って自分と相対している、里菜は悠馬に心惹かれていたのだった。
激しく前後に満たされているだけでいい、里菜の求めていたセックスは案外そんな具合で、身体よりも心で感じるタイプの様だ。
やがて声にならない悲鳴を上げる里菜の身体が激しく上下に波打ち、次いで悠馬自身がとうとう根本まで突き立てられる。
「往くぞっ?」
「来てぇっ!」
さながら子宮そのものにマーキングでもする様な射精、結合部から白濁を溢れさせたまま、二人はグッタリと動けなくなる…。
「お互い引っ込みが付かなくなったわね、私は裏切り者だし。」
「あー…僕も何か色々と違法行為で皆と共犯者なんだよな…。」
一発ヤルと醒めるらしい、里菜の囁く様なハスキーボイスはどこかアンニュイで、話す内容もどこかネガティブ思考。
だがその普段通りに戻った眠たそうな瞳には、人間らしい輝きを宿していた。
「だけど…こういうの…悪くない…。」
「うん、僕も皆を頼って良いと思う。」
里菜は孤高を気取りながらも人一倍の寂しがり屋であった。
彼女は『あいつら』の中でそこそこの構成員だったが、常に何かしらモニター越しか遠巻きの人付き合い。
この鉄也グループのアナクロ感はどこか居心地が良さそうだと感じていた。
そうして二人でイチャついていた所、暁美が水のコップと何かの錠剤を盆に乗せて里菜に寄越す。
「後ピルです、里菜『姐』さん。」
「え、あ、ありがとう…。」
「あー…そうだゴメン避妊とか全然考えてなかった。」
まだ少し憮然とした表情の暁美、色々と認めざるを得ないといった様子だ。
そして・・・
「くくっ、いい顔になったじゃねーか、悠馬」
上機嫌で笑う鉄也。
週明けの昼休み。
いつもの運動部部室空き部屋のたまり場。
古びたソファーに大股開きでどっかと座り、左右に由佳里と翼を侍らせその乳を鷲掴み。
足元には一希が座り込み、ズボンの上から股間に頬ずり。
ボスザルモードの鉄也である。
それに美香に千恵子、健二に敦といつものメンバー。
一希と翼も、もう関係を隠す必要もないので堂々と仲間入り。
そして、もう一組・・・
悠馬と里菜もいた。
週末、時間の許すかぎりセックスしまくった2人。
悠馬の腕にしがみつく里菜の顔は相変わらず眠く気だるそうだが、トロンと蕩け惚けていた。
悠馬に完全に惚れてますと言うオンナの顔だ。
登校時からこんな調子だったらしいが、既に里菜レイプ情報はクラスに流れてるらしく、見事に失脚。
桜木美咲の取り巻きが復活し、彼女の復権がなったようだ。
恐らく、首謀者達は美咲を復活させ、鉄也達と直接対決させる気かもしれない。
早速、朝に由佳里と里菜の机が廊下に放り出されてた辺り、そんな所だろう。