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そして、少女は復讐する
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そして、少女は復讐する 25

因みにその里菜は暁美の家にいる。
暁美の母は水商売のシンママで、暁美は父親が誰かも分からない生い立ち。
しかも夜は仕事で母親はいない。

その家に里菜を上げ、そして悠馬も・・・
膨れっ面の暁美の頬を夏菜がつついていた。

「何でよりにもよってさ!」
「でも、ここを貸す辺り、アケミ姐さん男前ね!」

むくれる暁美を夏菜がクスクス笑って茶化す。
その彼女達の前で、何かを諦めたような顔の里菜と、緊張そのものの悠馬。

「ユーマ兄さん、アタイらが立ち会うから男見せて貰うよ」

不機嫌そうにそう宣言する暁美。
要は悠馬と里菜が本当に仲間になれるのか見届けようと言う訳だ。
悠馬に惚れてるくせにこんな事ができる辺りが、彼女が女だてらに中坊達のリーダー格なのだろう。
夏菜が言うとおり、まさしく男前だ。

「あっ、そ、そのっ!、い、いきますよっ!」

服を脱いで裸の悠馬の声が裏返ってる。
同じく裸の里菜は、気だるそうな表情で股を開いた。
彼女とで理解している。
もう元の居場所はない・・・
由佳里がそうだったハブられ虐められるポジションに貶められるのは確実だ。

桜木美咲がこれの首謀者なら、彼女の復讐は自分に向かってくるのは当然だろう。
何かの大きな集団の庇護下に入ることで生きてきた良い子系クズである里菜にとって、後ろ盾が無い事が恐怖でしかなかった。

悠馬にとっては余り得意で無いタイプ。
意図的に乱したアホ毛の小柄な少女。
悠馬と背は同じぐらいだ。
細身な身体にCカップ程の美乳。
女としては均整取れた綺麗な身体だ。
謎めいた無表情かつ退廃的な様子はいつもと変わらないがどこか悲壮感が漂う。
可愛いけどあまり関わりたくないタイプなのだが、今の里菜はどこか頼りなげに見えた。

ド緊張の悠馬が抱きしめると、里菜は抵抗せずしなだれかかる。
孤高を気取り気味の彼女の内面は、孤独に対する極度の恐怖感がある。
何かに頼らないと生きていけないぐらい内面は弱い訳だ。

ぎこちなく抱き合ったままの童貞くんとさっきまで処女。
イライラしていた暁美が怒鳴る。

「さっさとしねぇと捨てんぞコラ!」

里菜の瞳がこれ以上になく大きく見開かれ、わなわなと身体を震わせる。

「ひぃ!、いや、いやっ!、捨てないでっ!、捨てないでっ!!」

涙を溢れさせて悠馬にしがみつく里菜。
捨てられる、里菜が潜在的に嫌う言葉、実際コインロッカーに捨てられたのだ。
何度も捨てられては保護され、両親は書類送検されるまでそれを続けたという。
当然のこと赤ん坊時代の記憶ではなく、物心ついてから周囲の噂話で知らされてしまった事件。

一見して平凡な里菜の両親に何があったのかは不明、几帳面な夫婦だけに鬱の気でもあったのかも知れない、そう囁かれている。

以来本多里菜は心を閉ざし拠り所を求めながら敢えて孤立する、矛盾し屈折した人生を選んだ。

「大丈夫、僕を信じて。」
「・・・。」

そんな里菜の前に馬鹿がいた、お節介でお人好しの馬鹿、人間誰でも仲良くなれると本気で信じて疑わない馬鹿。
里菜を抱き締めている腕の太さは殆ど女の子、なのにすごく頼りになる暖かさ。

悠馬にすがりついていた里菜の両手にハツカネズミ並の握力が加わる。
アホ毛が高鳴る鼓動に合わせてふよふよと揺れる。

「何てめぇユーマ兄さんとイチャついてんだぁあああ?恋人気分ですかこの泥棒猫がぁああああ!」
「落ち着けアケミ姐さん実際そういう事で手打なんだから、そしてエクスカリ・バタフライナイフ仕舞うんだ。」
「うるせぇ知るかぁあああああ!不思議ちゃんなら何しても許されると思ってんのかぁあああああ!」
「だからその超肉食女子っぷりでいつもユーマ兄さんにドン引きされてるの良い加減気づきなさいってば。」

バタフライナイフ両手に荒ぶる暁美を夏菜が必死で押さえ込んでいた、騒がしい。
悠馬に邪険にしても仲良くしても怒る騒がしい娘、里菜はこの暁美という中学生がよくわからなかった。

「だいたい、肉食肉食って、健二兄さんならモテてアタイは駄目なのかいっ!!」
「比べる所が違うって!、健二兄さんのは筋金入りの女たらしだから!」

流石と言うか何と言うか、鉄也のように『惚れさせる』タイプではないももの、オトすと言う事に関しては超一流のナンパ師だ。
アケミなんて比べ物にならないぐらいガツガツ行く超肉食系なのだが、どこか憎めないキャラで気を許して喰われてしまうパターンに皆陥るのだ。
それでいて、喰われた相手に恨まれない生粋のナンパ師だ。

とりあえず、暴れる暁美を夏菜は暴れ馬でも扱うようになだめる。
この超肉食系、そしてキレた時の破壊力、それと男前な性格過ぎて女子にしか恋愛対象に見られてないのだ。
まあしかし、女らしくなった暁美も、夏菜には全く想像できないのである。

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