そして、少女は復讐する 22
由佳里と麻由美は鉄也の胸板に頭をのせ、その頭を鉄也が撫でる。
「・・・鉄也くんの女になっちゃうかも、私」
麻由美はすこし疲れでかすれた声で呟くように言う。
「なっちゃうかもじゃねぇ、もう麻由美は俺の女だ」
エラそうに年上に言う鉄也のドヤ顔に由佳里はクスクスと笑う。
こんな形であれ、麻由美の気負いは解けただろうと思う。
「由佳里、惚れたら苦労するわよ、彼は女泣かせよ」
そう言う割に楽しそうな表情の麻由美。
「俺は女を喜ばせてしか泣かせねーよ!」
鉄也はそう言って今度は2人の尻を掴み、それに2人がキャッキャと言う。
そして、3人がベットから出たら、もう美香達は帰っていた。
メールを見ると『先に帰るね』とあるから、彼女達にとっても予定通りなんだろう。
そして3人で風呂へ。
そこでも狭い所で鉄也に母娘でイかされ、上がると食事の準備。
2人揃って裸エプロンだ。
「お父さんとこんな事したことある?」
「いえ、ないわ・・・ふふ、でもいいかもね」
並んで用意する尻を鉄也が見てると思うと股が熱くなってくる。
「ねぇ、お母さん・・・明日2人で下着買いにいかない?」
「いいわね!、セクシーなの選らんじゃおうかな私も」
裸エプロンで男の為に食事用意するのも、これはこれで楽しいと由佳里は思ったし、それは麻由美も同様のようだった。
そして、ゆっくりと鉄也が近づいてくる気配に、股に淫らな液が滴るのを感じていた。
「何作ってるんだ?」
後ろから2人の小柄な体格には似合わないエプロンには収まりきれない爆乳の乳首をつまむ。
「ビーフ…シチューよ…独身で小さな洋食屋さんやってる方から…おそわったの…。」
「どんな奴だ?もうヤッたのか?ムスコでかいのか?」
「高校生の息子さんがいて…親子でお店大変そう…だし…まだそんな…。」
「いやそっちのムスコじゃなくて…まあいいか。」
鉄也は上擦った声を上げる麻由美の耳元で囁きながら、鍋のふちに付いたシチューを指先で舐め取り怪訝な顔をする。
「だったら尚更一緒になっちまえよぅ?」
「年の近い兄弟が出来るのは複雑な気分だけど、ママがいいかどうかが大事だよ?」
「やめてよ二人とも〜?」
いつの間にか鉄也と由佳里が麻由美を挟んで弄ぶ様な立ち位置。
由佳里もまたシチューを味見して怪訝な顔をする。
「どうしたの?おいしくなかった?」
もともと人並み以上に料理の出来る村田親子、そこにプロの指導が加わって実際旨い。
「この味…。」
「似てる…。」
二人の怪訝な表情は、この味付け最近どこかで口にした記憶がある、しかし思い出せないもどかしさであった…。
ー中華街の裏道ー
とある小さな洋食屋の長男、長坂悠馬が夜の町を駆ける。
「(たたたた大変だぁあああああ?)」
そこでは鉄也達の予想しなかった非常事態が発生していた。
失脚した桜木美咲…当の本人は中華街の溜まり場から追い出され、落ち延びてしょんぼり暮らし無害その物。
問題は後に残った彼女の元・子分達の暴走であった。
ガタイの割に小心でウダツの上がらない運動部男子三名が、本多里菜を拉致。
長坂悠馬は業者に食材を発注した帰り、その現場を目撃してしまった。
「(健二くんとか敦くんがパトロールしてる筈じゃないのかよぉおおおおお?)」
二人を責める訳にもいくまい全くノーマークだった小悪党、見分けの難しい良い子ちゃんクズ達であった。
今回の脳筋三名は美咲の失脚でヤリ友にありつけなくなった。
彼等は腹いせに、彼女の失脚に直接関わった本多里菜突き止め輪姦しようと拉致したのだった。
里菜と一緒にいる三人を見た悠馬は『ああ本多さんにも友達いたのかな』と安堵すると同時に沸いた違和感。
次の瞬間、裏路地に引きずり込まれた里菜の瞳は、これまでに見た事もない程に見開かれていた。
『ダレカタスケテ』
と、明らかにその瞳が訴えていた。
悠馬は裏道を駆け抜けながらアタフタと携帯を取り出し敦と健二に緊急のメール打つ。