そして、少女は復讐する 21
「あそこは・・・」
ふよふよと緩ませた顔の一希がそう口にする。
「難しいクラスですわね・・・」
難しいクラス。
そう一希が言いたくなるのは翼や敦も分かる。
由佳里のクラスは掴みどころがないのだ。
担任の朝比奈小百合は若い教師。
相当頼りないらしく事なかれ主義と言うのが彼らの見立てだ。
そんな教師だから、陰湿な虐めが成立するのだろう。
「あそこはいい子ちゃんクズが多いイメージね」
翼の言葉に一希もなるほどと思う。
本多里菜や由佳里のクラスの多くは翼と中学は一緒。
表面的には仲良くしているが、彼女のレイプ事件の裏には数人が絡んでいるような気がしている。
自分の気に入らないものや嫉妬対象をそうやって潰すのは彼ら彼女らの常套手段だが、何かあのクラスにはそれだけでない難しさがあった。
「鉄也がな『桜木はもうそろそろ暴発する』って言うもんだから、健二が繁華街辺りを中心に探り入れてるらしい」
敦のそんな言葉。
鉄也も翼と同様の手段を想定しているのかもしれない。
「健二君の場合、探りと言う建前のナンパでしょう・・・」
「あー、そうよね・・・絶対そうだわ」
一希と翼の言うとおり、彼の軽さを知る三人は思わず笑ってしまったのだ。
そして週末の放課後。
由佳里はまっすぐ家に帰った。
週末は麻由美が早く帰ってくるのもあるが、今日はそれだけが目的でない。
美香や千恵子、それに鉄也、敦、健二までいる。
「だだいまー」
「おかえり・・・あら、お友達?」
驚く顔の麻由美。
それはそうだろう・・・
普通の母親なら、この風体怪しい連中とお友達になって欲しいとは思わない集団だ。
「うちのお母さんの麻由美ね・・・上がって貰うね」
由佳里は母を紹介しつつ、全員を家に上げようとする
「ちわっ!、ユカリンママって綺麗ね!」
「うん、チョーマジヤバいわ!」
ギャルテンション丸出しの千恵子と美香。
「麻由美さんチョー綺麗っす!、オレとお付き合いしてくんないっすか?!」
ナンパ師健二はいつもどおり。
「え?、あっ!、私オバサンよっ?!」
彼のペースにしどろもどろになる麻由美。
不思議とこうストレートでも拒絶されてしまわないのが彼の持ち味だろう。
「ああ、由佳里の母親だけにマジいいオンナだ」
不良坊主どもと言え、こうもストレートに褒められ麻由美は頬を赤らめる。
かつては自分の美貌に自身があったが、こんなストレートなアタックは今まで流石になかった。
「お、大人をからかっちゃダメよ!!」
そう言い返すのが精一杯であった。
「からかうなんてオレら・・・」
健二がそう言って顔を近づける。
「真剣そのものっすよ・・・麻由美さん、子供産んだら女やめなきゃいけないって誰が決めたんですか」
このナンパ師はたまに良いことを言う。
下半身でしかモノを考えない男だが。
「そうですよ、今日俺達が来たのは変わった由佳里さんを見てもらいたいのと・・・麻由美さん自身の事ですよ」
敦も続けて言う。
こんな展開になるのは由佳里も分かっていた。
全員をリビングに押し込みつつ、様子を伺う。
由佳里にとって復讐するも、これからの学校生活送るにも、心配事は母親なのだ。
なにかちょっと気負いを感じていた。
「オバサンだなんて、俺達にはイイ女にしか見えませんよ」
鉄也達は麻由美を寝室へと追いやっていく。
由佳里は美香や千恵子と共にリビングに座る。
「あいつらバカだけどさ・・・」
美香がそう言って小さなソファーに身を投げ出す。
「女愛する時は真剣そのものなんだよな」
美香や千恵子が彼らから離れない理由がそれだろう。
由佳里もそうだ。
初めて愛されるセックスの素晴らしさを教えてくれたのは、あのヤリチン達だからだ。
暫くすると麻由美の嬌声が聞こえてくる。
レイプまがいだが、嫌がる声ではない。
嫌がらせない程彼らが上手いのだが・・・
少し聞き耳を立てながら美香と千恵子と普通のガールズトーク。
かなり話し込んだ所で、裸のままの健二と敦が出てきた。
「ユカリン、風呂借りるよー」
健二の軽い口調。
何だかスポーツでも終えた風だ。
「うん、使って頂戴」
そう言って由佳里は立ち上がって服を脱ぐ。
向かうのは風呂では無い。
寝室だ・・・
由佳里が寝室に入ると、麻由美は鉄也に背面座位で貫かれていた。
「由佳里、麻由美はカレシできるまで俺の女にするからな」
「あん、ひぃ、いやぁ・・・見ないでぇ・・・」
由佳里に見られて身悶えする麻由美に、由佳里は近づいて抱きつく。
「お母さんも恋してセックスして女しようよ」
そう言って由佳里は母親に唇を重ねる。
「死んだ旦那忘れろって訳じゃないぜ、むしろ忘れんな」
鉄也は麻由美を突き上げながら言う。
「旦那が麻由美が綺麗になって幸せになるのを許してくれないなら忘れちまえ・・・そうでないなら綺麗になって幸せになった所みせてやれ!」
家庭環境に様々な問題抱えている鉄也だから言える言葉だろうか・・・
こうやって不良やっているが、中身は欲望だけで動いているように見えて相当大人な部分もある。
それが鉄也と言う不思議な男の魅力なのだろう。
その後、麻由美だけでなく由佳里も散々に抱いて、2人を左右にはべらしてご満悦なボスザル表情の鉄也。