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そして、少女は復讐する
官能リレー小説 - その他

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そして、少女は復讐する 19

由佳里のストーカーだの鉄也にカチコミだの色々あった誤解を更に誤解した暁美は、悠馬を『あんなナリで度胸のある男』として気に入ってしまった様である。

「いやはや参りました、またユーマ兄さん取り逃がしましたわ、寧ろ既にUMAって次元ですわ。」
「暁美あんだけガッついたら一般男子フツー逃げる、あと先輩を未確認生物とか失礼すぎでしょ。」

この中で幾らか学のある敦は『ピュアなんだよ』と噛み砕いた説明で皆を納得させた。

周囲に有無を言わせぬ立場の鉄也とは真逆にいる悠馬。
翼と一輝の二人が調べた『あいつら』の情報網だと悠馬は鉄也のパシリぐらいに落ち着いている。
不名誉な評価であっても元々が悠馬はクラスの底辺寄りであり、彼にとっても気楽な立場であろう。

「しっかし珍しいよねー、暁美がそんな冴えない一般男子にご執心なんてにぇー、ナニがそんなに良いのやら」
脳天にまで響きそうなキンキンのアニメ声で歩が言い放つ。

「歩はユーマ兄さんのこと知らないから言えるんだよ。イマドキあんな男滅多にいないんだから」
「UMAってよりは天然記念物ねぇ」
「まあ…そうかもだけど。それと、ユーマ兄さん、アレがすごいんだぞ」
「それを言うかい」
思わず美香が突っ込んだ。

そして暁美は由佳里にむしゃぶりつく同級生達を見ながら言う。

「コータローにダイキにヨースケ!、お前らユカリさんにして貰ったんだから、今日からユカリさんの舎弟な!」

どうやら中学生グループのトップは暁美のようである。
そして、暁美も夏菜も服を脱ぐと、乱交の輪に加わったのだ。


それから数日。
由佳里の周りはすこぶる平穏。
今まで会話すらなかったクラスでも悠馬だけでなく数人の男女が話しかけてくるようになった。
由佳里自身も能面のような無表情から笑顔になる事が多くなり、見た目の変化もそうだが、内面から溢れ出る雰囲気もかなり変わってきた。
ぐっと綺麗に女らしく魅力的になったのである。

このクラスにこんな美少女いたっけ・・・

そう言われる程に変化。
ただ、この平穏も微妙なバランスの上での話だった。
桜木美咲が誰が見ても明らかに苛ついていたからである。

まあ、彼女が不機嫌な訳は今更説明するまでも無いだろう。
この数日、数週間の間で由佳里を取り巻く環境が明らかに変化し、自分に不利な状況になったからだ。
ついでに、自分の周りの取り巻きも次第に減ってきており、苛立ちとともによく分からない焦りも感じていた。

「(かなり追い込まれてきたかしらね、桜木美咲さん)」
廊下から教室の中の様子を覗き込んでいたのは一希だ。

桜木美咲と付き合いの長い女子数名がそれなりに接しているのが唯一の救い、それがなかったら確実に暴走している所だ。
この先しおらしくしていればスクールカーストのピラミッド底辺へ逃げ延びて、彼女が平穏無事に暮らせる可能性は残っていた。

美咲が苛立っている原因は休み時間の度、わざわざ余所のクラスから皮肉や嫌味を言いに来る男女。
元は美咲の手駒になりながらも手軽かつリスクなくドS気分を楽しんでいた共犯者達、美咲の失脚で何かしら旨味を失った連中だ。

一希は寧ろ美咲本人よりも、表向きその他大勢に紛れ悪党の片棒担ぎを楽しんできた連中に嫌悪感を感じた。

当の被害者である由佳里にしても美咲に対する恨みなど既に実際どうでも良いし、彼女を責めた所で何の解決にもならないと理解していた。

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