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そして、少女は復讐する
官能リレー小説 - その他

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そして、少女は復讐する 13

「まあ、この由佳里のカッコを見て、クラスの他の奴らがどう反応するかだな」
鉄也がニヤリと笑って言うと、
「そのへん、ユカリン報告よろしくなー」
「あっ、うん」

すっかり仲良しの域に達した不良集団と別れ、由佳里は自分のクラスへ向かう。

教室の扉を開きー
『!!!』
ほぼ全員が、由佳里の姿を見て驚いた。
驚きのあまり、教室が異様な静けさに包まれた。

もちろん、美咲も悠馬もその姿に絶句した。
「(な、何事なの…!?)」

一番驚きを隠せないでいたのは、あの教室の一番隅の席の少女…本多里菜だった。

意図的に乱したアホ毛と制服、左右で色違いな上に長さまで微妙に違う縞々ニーハイソックス。
謎めいた無表情、退廃的な冷徹さを漂わせる細身で無口な不思議ちゃん本多里菜。
可愛いけどあまり関わりたくないタイプ、故に『あいつら』の工作員として暗躍していた。

彼女の眠たげに三分の一程度しか開いていない瞼が半開きぐらいまで見開かれた。
どうしても食事や会話が必要でも無い限り開く事のない唇までもポカーンと、ポッキー一本分の隙間を作っていた。
本多里菜がコンマ三秒表情を変える程、由佳里の変貌に驚いていた。

「(すごい…あの本田さんまで驚いてる)」
「(うわ見られた…畜生…恥ずかしい…)」

里菜は更にコンマ五秒程度頬を赤らめ悠馬を睨みつけると同時、普段のクールな不思議ちゃんに戻った。

「(焦るな私…まず状況把握)」

そして、そんな由佳里のイメチェンのせいで誰も彼女に声をかけれずにいた。
そもそも由佳里は友達すらいない訳だが。

『アイツ、マジで桐間の女になったのかよ、ヤバイよ』
『美咲が何かしたら切り捨てな、ちょっとマジヤバい』

クラスの何人かがすぐにスマホでやり取り。
知る限り、桐間鉄也と言う男は猛獣だ。
学校と言う檻の中で比較的大人しくしているが、一度牙を剥けば猛獣だと言う事ぐらい知っている。
重要なのはまず己の保身なのだ。

静かに席につく由佳里をクラス全員が声もなく見守る。
里菜もこの状況に頭を悩ませていた。
あの屋上での鉄也の登場は、里菜が由佳里の情報を鉄也のクラスに流して、そこの友人網を使ってけしかけたからなのだが、完全に裏目に出たようだ。
では、これをどうするか・・・

彼女の答えも保身だ。
まず、何するか分からない鉄也を刺激したくない。
今の由佳里も不気味だ。
美咲が暴走したらハブってでも身を守る。
彼女らしい結論である。
そもそも彼女達の関係がそうなのだ。
誰かを虐め、己の優位さを保つ。
ターゲットにならないようにそれに加担する。
その関係に友情や信頼なんてない。
こうして、その日は静かに始まった。
由佳里にとっては、本当のスタートの日だった。


そして昼休み。
グラウンド隅の運動部部室の空き部屋。
ここは不良たちのたまり場。
一年生にもかかわらず学校の不良の頭になっていた鉄也。
彼はそのうちの一室を自分の仲間専用にしていた。
勿論、教師も不良達を半ば放置していたので来ることは無い。
彼らも大騒動を起こさない限りは、不良達の縄張り争いなんて関わりたくないのだ。

由佳里も千恵子や美香達と共に昼休みは最近ここだ。
一人で屋上飯や便所飯よりずっといい。
後は鉄也や健二、敦の合計6人だ。

「はい、鉄也くんお弁当」

こんな集まりをするようになって、由佳里は自分で弁当を作るようになった。
勿論鉄也の分もだ。
実は、千恵子や美香がそれぞれ健二や敦の弁当を作って持ってきてるのを見て真似たのと、女同士で自分の作ったおかずを交換してみるのが以外にも楽しいからだった。

男3人は本能のままに生きている若いオスなので、とても食いつきはいい。
ものすごい速さで完食してしまう。
作る方としてもそれは気持ちのよいものである。

「うまかったぜ!、由佳里」

そう言って食べ終えた鉄也が由佳里の座る古びたソファーにどっかと座り、由佳里の尻や胸を撫で回す。
食欲を満たせば次は性欲。
本能のままのオスらしい反応だ。

「まだごはん中なのよ」

由佳里も満更で無い。
鉄也が好きかどうかはまだ分からないが、少なくとも嫌いじゃない。
そして、セックスに関しては・・・
それなりに好きだ。
それに褒められ慣れてない由佳里も、これだけ褒められると悪い気はしない。

「可愛いわ、メシうめーわ、最高の嫁だべ」

由佳里は俺の嫁的な口調の千恵子。
美香もウンウンと頷くとその美香を抱きしめながら笑顔の健二。

「いいなぁユカリン、俺のヨメになって毎日ヤリまくろーよ!」
「オメー!、どの口で言うか!!」

美香と健二はいつもどおりの痴話喧嘩。
本当に健二は浮気症のナンパ男なのだが、この二人の仲は崩れない。
不思議な関係である。

「あ、オレ鉄也がヤラない時だけでいいから」

大真面目な顔で言う敦を千恵子がゴツンと殴る。

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