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ノーマンズランド開拓記
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ノーマンズランド開拓記 29

そして一行はモットの案内で集落へと向かった…。

「…見えました!ルーク様!あれです!」
「あれが…!!」
モットの指差す先にその集落はあった。
確かに話に聞いた通り砦の形式になっている。
「先住民同士でも争っているのか…?」
ジェシカがポツリとつぶやく。

一行が村に近付くと、槍と盾を持った裸(腰回りだけフンドシのような布で覆い隠しているが)の男たち十人前後がわらわらと出て来た。
彼らの体にはハロハとウザラと同じようなボディペインティングが見られ、その木製の盾には何やら良く判らない鮮やかな紋様が描かれている。
「……っ!!」
ルークは思わず身震いした。
ついにこちらから先住民との接触を試みるのである。
何せ彼らエルシオン大陸の人間にとっては未知の人類だ…緊張しない訳が無かった。
彼は脇に控えたハーヴィンに言う。
「教授、通訳は任せたよ」
「お任せください、ルーク様」
その時、ふと皆は先住民達を見て“ある点”に気付いた。
誰かが言う。
「小さい…?」
…そう、この村の住人達はハロハやウザラ達の部族よりずっと小柄…ちょうどエルシオン人と同じくらいの体格をしていたのだ。

戦士(?)達の中から長老と思しき杖をついた老人が出て来て、一行に向かって何か言った。
ルークはハーヴィンに尋ねる。
「な…何と言ってるんだ?“お前達は何者だ?”とかかい…?」
「…まさにその通りです。何と答えましょうか?」
「…よし!“僕達は海の向こうから来た者で、敵意は無い”と伝えてくれ!」
「解りました…!」
ハーヴィンは手帳片手にルークの言葉を伝える。
すると長老はまた何か言い、一行に背を向けて村の方へと歩き出した。
今度はジェシカがハーヴィンに尋ねる。
「何だ?どうした?まさか交渉決裂とか…?」
「…いえ“ついて来い”と…ただし全員ではなく数名だけ…」
「…人選しろって事ね…」
ルークは一同を見渡して考えた。
まず隊長の自分と通訳のハーヴィンは絶対として、あとは……。
「…よし!イワノフ、それにモット、一緒に来てくれ」
「はい、ルーク様」
「は…はいぃ!!」
イワノフは万が一の時に戦力として期待出来るから、モットは弟のベイリーが捕らわれているので早く会わせてやりたいと思ったからだ。
「お待ちください!私もお供いたします」
「ぼ…僕も連れて行ってください!」
…と名乗り出たのはジェシカとアレクの姉弟…だがルークは二人に言った。
「ジェシカには皆と共にここで待機していてもらいたい。もし僕達に何かあった場合に皆を指揮する者が必要だ。アレクは……悪いが連れて行けない。解ってくれるね?」
「…解りました、ルーク様」
「…うぅ…」
ジェシカは不承々々ながらも理屈を考えて納得するが、アレクは不服なようだった。

ルーク以下4名は長老の後について村へと足を踏み入れた。
村の中には女子供達もおり、遠巻きながら興味津々といった様子でルーク達を伺っている。
「…どんな風に見られてるのかなぁ?俺たち…」
モットがポツリとつぶやく。
イワノフが答えた。
「…たぶん異界から来た怪人とでも思われてるんじゃないか…?」
確かに肌の色、目の色、髪の色、服装、武器も…何もかも、このアルディアの人達とは違う。
ここでは彼らはまさに“異邦人”なのだ。

ところで、やはり…というべきか、村人達は皆、裸もしくは裸に近い格好をしていた。
幼い子供はもちろん、男だけではなく女も…。
ハロハとウザラもそうだったが、どうやらこの地には女が乳房を隠すという概念が無いらしい。
皆、恥ずかしがるどころか、むしろ誇らしげに晒しているようですらある。
まだ膨らみ始める前の少女や既に垂れた老婆の乳房などは(特殊な性癖の持ち主を除いて)まだ気にならないが、若い女達のそれには目のやり場に困った。
たわわに実った果実のように豊満で張りの良い乳房に、どうしても健康な男としての反応が起きてしまう(股間に)。
「こ…これは…参りましたね…」
「何ともはや…」
「ハハ…アレクを連れて来なくて正解だったよ…(こういう予測をしていた訳ではないが…)」
皆、自然と前屈みになる…。
「…皆さん、私は“そういうの”は男性の生理現象として理解していますので…ただ…」
ハーヴィンは男達に冷ややかな視線を向けながら宣言した。
「…“乳房の豊かな女性の方が魅力的”という世間一般の価値観に対し、私は遺憾の意を表明します!」
「「「……」」」
皆、何も言えなかった。

村の中央に他の家より少し大きめの家があり、4人はそこへ案内された。
そこが長老の家で、そこにベイリーがいた。
「ベイリー!!よく無事だったなぁ!!心配したぞぉ!!」
「モットぉ!!…って何が心配しただコノヤロウ!?俺を見捨てて逃げやがったクセに!!」
「しょうがないだろ!!助かったんだからゴチャゴチャぬかすな!」
「まあまあ…!」
再会するなりケンカになる双子をイワノフが宥める。

長老の家が他より大きいのは集会所を兼ねているからで、長老が特に富を貯えているという訳ではないらしい。
ルークは尋ねた。
「身分差の無い平等な社会なのかい?」
ハーヴィンは長老と2、3、言葉を交わした後に答えた。
「…身分差は無いに等しいそうです。強いて言えば年長者に従う事くらいでしょうか。収穫された作物は村人全員の共有となり“個人資産”という概念も無いそうです。…そう言えばハロハとウザラも仕留めた獲物は村中で平等に分配すると言っていました。狩りに参加しなかった者も含めて…何らかの形で貢献しているからと…」
「……」

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