PiPi's World 投稿小説

ノーマンズランド開拓記
官能リレー小説 - その他

の最初へ
 22
 24
の最後へ

ノーマンズランド開拓記 24

「そ…それは……確かにそうかも知れませんが…だがリスクを恐れていては何も出来ませんぜ!!」
「…リスクを無視して行動した挙げ句、開拓団全滅…などという事になるよりはマシだと思うがね…?」
「あ…あんたは自分の娘が蛮族共に浚われて平気なんですか!?」
「平気な訳があるかぁっ!!!!!」
「「「…っ!!!?」」」
それまで淡々とした口調で諭すように話していたクラウスがいきなり大声を上げたので皆は驚いた。
ベイウッドは驚きのあまり唖然としてしまう。
ルークはクラウスの心中を察し、安易に戦いへと踏み切ろうとしていた己の軽率さを恥じた。
(そうだ…エリスが居なくなって一番辛いのはクラウス達一家じゃないか…それでも彼は今なお開拓団全体の安全を一番に考ている…本当は真っ先にエリスを取り戻しに行きたいはずなのに…)
そして彼は皆に向かって言った。
「…クラウスの言う通りだ。ここで怒りの感情に流されて、勝ち目があるのか無いのかも判らない敵に戦いを挑むのは自殺行為だ。ジェシカ、ベイウッド、確かにエリスの事は心配だろうが、今は耐えてくれ…」
「…解りました」
「うっす…」
ジェシカは力無く、ベイウッドは不満げながらも一応納得したのだった。


「……」
会議後、ジェシカは一人、城壁の上に立って海を見ていた。
そこは昨夜、エリスが先住民の舟に向かって身を投げた場所だ。
彼女はその時ここには居なかったが、後でクラウスから聞いた。
下を見ると目も眩むような高さである。
「…こんな高い所から…よくもまあ…」
思わずつぶやくジェシカ。
いくら下で受け止めて貰えるからといって、そうそう容易く飛べる高さではない。
「…信じていたんだろうな…彼女達の事を…」
その時、彼女の後ろから声がした。
「凄いよね、エリスは…僕達が散々頭を悩ませている先住民達と信頼し合える関係を築いてしまったんだから…」
「…?」
振り返って見ると、そこに立っていたのはルークだった。
「…ルーク様!し、失礼しました。気付きませんで…」
「良いよ…エリスの事を案じていたんだろう?」
そう言うとルークはジェシカの隣に並んで立ち、海に目をやった。

少しの間、黙って海を見つめていた二人であったが、やがてルークが口を開いた。
「…実は、捜索隊を編成しようと思ってるんだ。規模は20名前後を考えている」
「ほ…本当ですか…!?」
「ああ…ただ、勘違いしないで欲しいんだけど、この捜索隊の目的は先住民の集落に攻め入ってエリスを奪還する事じゃない。第一の目的はエリスが連れて行かれた集落を突き止める事だ。そして可能ならば彼らとの接触を試みる。さらにエリスに会う事が出来れば彼女の意思を確かめた上で連れて帰る…解るね?」
「はい!ぜひ私もその捜索隊に参加させてください」
「むしろ僕の方からお願いしたい。一緒に来てくれないか、ジェシカ。僕には君の助けが必要だ。僕一人だけでは皆をまとめられないからね」
「喜んで!…しかしルーク様、一人という事は、父は同行しないのですか?」
「うん、彼には砦に残ってもらおうと思ってるんだ。…どうも開拓団内の一部に不穏な動きが見られる。僕が砦を留守にしている間に何かやらかす気らしい。クラウスに残ってもらうのはそのためだ。クラウスが目を光らせていれば、彼らも容易には動けないだろうからね…」
「…ひょっとしてそれはベイウッドと彼の子分達の事ですか?」
ジェシカの質問に対してルークは肯定も否定もせず、ただ海を見つめて言った。
「…彼の怒りはもっともだ。先日の襲撃の時だって彼の言う通り、すぐに砦に退避していれば犠牲者を減らせたかも知れない…。僕の認識が甘かったせいで死なずに済んだ人達を死なせてしまったんだ…」
「ルーク様一人の責任ではありません!そもそもあんな襲撃は予想出来ませんでした!」
「ありがとう、ジェシカ…」
そう言うとルークは少し微笑んだ。
そしてこう続けた。
「…あの日、先住民達と対峙した時、彼らからはハッキリと憎悪の感情が感じられた…なぜだ?なぜ僕達はここまで彼らに恨まれている?僕達はこのアルディア大陸で一体どんな罪を犯してしまったと言うんだ…?」
「我々とは全く価値観の異なる異民族です…どれほど考えようと解る訳がありません」
「例え永遠に理解し合えない相手だとしても、理解しようとする努力は必要だと思うし、止めたくないな…。なぜ彼らは僕達を敵視するのか?…その理由もこの捜索で解ると良いと思ってるんだ…」


一方その頃、クラウスはハーヴィン教授の元を訪れていた。

砦の一角に彼女の研究室が設けられている。
四方の壁は本棚で埋め尽くされており、オマケに様々な書類が所狭しと積み上げられていて足の踏み場も無い。
女性らしい要素はほぼ皆無と言って良い“研究者”然とした部屋であった…。

「教授、そろそろ教えていただきたいのですが…」
「…何の事です?」
「エリスとあの二人の先住民の娘達との関係ですよ。エリスのあの二人への想いは明らかに“友情”以上の物だ…私の娘は彼女達と一体どんな“交流”をしていたんです?」
「うぅ〜ん…」
ハーヴィンは「参ったなぁ…」というように頭をポリポリと掻いた。
彼女はエリスの名誉のため、交流の内容については自分だけの胸の内に秘めておくつもりだったのだ。
だが他でもないクラウスにこうして迫られると黙っている訳にもいかない。
彼は(意識してかどうかは判らないが)“娘”という言葉を使った。
父親である彼には知る権利がある。
結局、ハーヴィンは(エリスには申し訳ないと思いつつも)彼女が先住民の娘達と“いかにして愛情を育んでいったか”を彼女の父親に話さざるを得なかった…。

SNSでこの小説を紹介

その他の他のリレー小説

こちらから小説を探す