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ノーマンズランド開拓記
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ノーマンズランド開拓記 22

「あぁ…あぁぁぁ…」
 ショロロロロロロ〜…
絶頂が過ぎ去るとエリスはグッタリと脱力して、その場で放尿してしまう。
だらしなく開いた口からはヨダレを垂らしている。
完全に弛緩して快感の余韻に身を委ねているエリス…そんな娘をミシェルは愛おしげに抱きかかえていた。
血の繋がりは無けれど幼い頃から育ててきた愛娘…そして今はルークに贈る新しい“玩具”なのだ。
愛おしくない筈がなかった…。


入浴を終えたエリスは一人、夜風に当たっていた。
「……」
体はまだ熱く火照っている。
あの後、ミシェルに全身の隅々…肛門の内側に至るまで丹念に洗われた。
体を洗われながら、また何度かイってしまった。
我ながら何故こんなに淫らになってしまったのだろうとエリスは思う。
いま身にまとっているのは薄いワンピース状の服一枚のみ…それでも体の内から湧き上がる火照りで熱いくらいだ。
子宮が疼き、性器からは愛液が溢れ、太ももを伝い落ちている。
空を見上げると、見事な満月だった。
エリスは海側の城壁の上に立ち、ある物を取り出した。
それは二本の獣の牙…そう、あのハロハとウザラから貰ったピアスだった。
エリスは今夜これを海に捨てに来たのだ。
それは一時とはいえ情を交わした二人への想いを断ち切り、ルークの愛妾としての人生を歩むべく彼女なりの決意の表れだった。
エリスは牙のピアスを海に放ろうとした…。

その時…
「エリィス…エリィス…!」
「え…?」
聞き覚えのある声…城壁の下、その下に続く断崖…その下には月の光を浴びながら打ち寄せる夜の黒い海…そこに一艘の小さな帆かけ舟が浮かんでいた。
「…っ!?」
エリスは目を凝らして見た。
ヨット程の大きさのその舟は、見た事も無い帆の掛け方で、舳先(へさき)の部分には奇妙な…しかし何処となく美しさも感じさせるペインティングが施されている…先住民の舟だった。
「エリィス!」
ほぼ裸の三人ほどの褐色の人影が見える。
その内の一人は女で、先程から頻りにエリスの名を呼んでいる。
「まさか…ハロハ!?ハロハなの!?」
「エリィス!クル!」
来る?…ハロハの言葉にエリスは首を傾げる。
「も…もしかして、私を迎えに来てくれたの!?」
「エリィス!ソコ、ヨクナイ!コッチ、クル!」
「そ…そんな…!?」
突然そんな事を言われても困る。
エリスは戸惑ってしまう。
そこへ…
「…エリスお嬢さん?」
「そんな所で何をしておいでですか?」
城壁の上を巡回していた兵士達に見付かってしまった。
「海に向かって何を叫んで…あぁっ!?ば…蛮族共!」
「ちくしょう!まだ性懲りもなく砦の周りをウロついてやがったな!」
兵士達は舟に向けて銃を構えた。
「駄目えぇーっ!!」
エリスは兵士の一人に飛び付いた。

 ズダアァァーンッ!!!!

その兵士は空に向かって発砲してしまう。
「エ…エリスさん!?なぜ邪魔をするんですか!?」
「駄目なの!!ハロハ達を撃たないでぇ!!」

銃声を聞き付けて兵士達が集まって来た。
その先頭にクラウスがいた。
「どうした!?一体何事だ!?」
「クラウス様!蛮族共です!小舟で海から砦を探っていました!」
「何だって!?」
「違うわ!ハロハ達はただ私を迎えに来てくれただけなの!」
エリスが叫んだ。
「エ…エリス!?どういう事だ!?」
クラウスはエリスが先住民の娘達との交流を深めていた事はハーヴィン教授から聞いて知っていた(もちろん“その内容”までは知らなかったが…)。
次の瞬間、エリスは何を思ったか、靴を脱いで裸足になると近くにあった大砲の上によじ登った。
「な…何をするんだ!?危ないぞ!早く降りて来なさい!」
クラウスは叫んだ。
しかしエリスは耳を貸さず、大砲の砲身を伝っていった。
その先端は城壁の外側に突き出しており、足を踏み外せば下の海へと真っ逆さまである。
クラウスも兵士達も危なくて手が出せない。
そしてエリスはクラウス達の方を振り返って言った。

「お父様、私は今やっと解りました。どうする事が自分にとって一番の幸せなのか・・・」

彼女の表情には決意があった。
確かにルークに愛され、彼の子を産む事も一つの幸せの形だ・・・
しかし、人には何かしらの運命がある。
自分がこの地に来て先住民と関わりを持った事もまた運命かも知れないとエリスは思った。

「お母様とジェシカお姉様、マリアとアレクに宜しくお伝えください・・・」

そう言うとエリスは身を投げた。

「エリスーッ!!!?」

クラウスは娘の名を叫びながら城壁に駆け寄る。
エリスの身体が遥か下に浮かぶ小舟へ吸い込まれるように落ちていき、先住民達に受け止められたのが見えた。

「船を出せぇ!!ヤツラを追うんだぁ!!」

兵士の一人が叫んだ。

「追うな!!もしこれが罠だったらどうする!?」

それを止めたのは他ならぬクラウスだった。

「しかし、お嬢さんが・・・!」

「ヤツラは囮で、別働隊が砦を狙っているという可能性も考えられる!たった一人のために開拓団全体を危機に晒す訳にはいかん!」

クラウスの言う通りだった。

皆は去りゆく小舟をただ見守るしか無かった・・・。

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