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原始人
官能リレー小説 - その他

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原始人 8

そんなとき、島に奇妙な小舟が漂着した。それなりに装備の整った巨大な舟でなければ海を渡ることはできない筈である、このような粗末な小さな舟が島に着くのは珍しい事であった。
中に居たのはジョオだった。
マアが驚いて声をあげる。
「女好きで有名なジョオが妻も連れずに一人でここに来るなんて」
ジョオはアルに話があるようで、恥ずかしそうに下を向いている。
ジョオの指示でマアは二人から離れた。
マアは薄々感づいていた、彼はアルに負けたことで失墜し村に居られなくなったのだと。
しかし、理由はそれだけではない。別の大きな理由があったのだが、そこまではマアも気づかなかった。
ジョオはアルを海岸に連れていく。
彼が来た小舟は岩に立て掛けてある。あらためて見てもこれでよくここに着いたなという粗末さだ。
「俺はあの時の勝負で人生が変わってしまった」
ジョオは海の方を向いたまま、話し始める。
彼の話によるとあの時の勝負で負けたことを引き金に村人のジョオに対する不満が爆発したらしい。
一夫多妻の風習があるとはいえ、片っ端から女に手を出していくやり方をしていればそうなるのは当然だった。
だが、ジョオは自分が村を出たのはそれが原因ではないと断言をした。
 「俺も、お前のように、広い世界が、知りたくなった。だから、舟を作って、乗ってきた」
 「そうか」
 「でも、勝負に負けたままだと…嫌だ、とも思う」
 ジョオは腰みのの下のものをアルに向けて強調した。
 
ジョオはあの対決の後、どの妻を見ても屹立を維持できなくなっていた。そそりたっては急激に萎み、我慢汁が垂れ流される。
その様子に大勢居た妻は次々と去っていくのだが、ジョオは引き止めもしなかった。
「一度負けたぐらいでそんなに落ち込むな」と励ます者も居たが、負けた事で男としての自信を失ったから立たなくなったわけではない。なので早々と妻との性交は諦めてしまい、舟を作るのに集中する。
元々村では疎まれつつあったジョオは完全に孤立し、三日もしないうちに家には誰も居なくなった。だが、そんなことはどうでもよかった。
そして小舟が完成するなり村を飛び出したのだ。

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