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原始人
官能リレー小説 - その他

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原始人 46

アル達を乗せた謎の大船が海の向こうへと消えて1年が過ぎた。
ティティはあれから、裸の村から少し離れた場所に建てられた小さな小屋に一人で暮らしていた。その生活はとても質素であり、慎まやかなものだ。
しかし、飢える事も寒さに苦しむ事も無い非常に安定した生活だ。常に全裸で居る事が村の掟ではあるのだが、それでも何の支障も無い程に穏やかで過ごしやすい地域なのだ。
彼女にとってはこの生活こそが最も望んでいたものなのかもしれない。
(これで良いのよ)
彼女は毎日、自分に言い聞かせるように呟くのだった。
上陸した船は村の男達によって解体され、一部はティティの住む小屋の建材に使われている。
(アル…元気でやっているかしらね)
アルはあの美しい石が積まれた都市を目指して海を渡ったはずだ。
ティティには彼が何処に行ったかは見当も付かないし、彼が無事である事を祈るしかない。
アルと共に海を渡った船員達は、海の男達の間では事故で全員死んだらしいと噂になっていた。実際には誰も死んでおらずアルと旅に出たのだが、その事を知っている者は自分以外には居ないしわざわざ教える事でもないと彼女も思ったので黙っている。
ティティはアルの事を想いながら、今日も静かに時を過ごしていくのだった。
アル達はというと、未だに甲板の上で目的地の方角にそびえているであろう美しい都市を夢見ながら、肉の柱を握りしめていた。彼等は目的地に向かって肉の柱の先端を突き出していたのだ。
力強く、大胆に突き出された肉の柱は降り注ぐ太陽の光を反射させキラキラと輝いている。
実はこれこそがこの巨大船の原動力だった。アル達の突き出された陰茎から放出されるエネルギーによって、船が突き進むのだ。
つまり彼等はこの船の動力源にされているだけでなく、進行方向をも決める立場にあったのだ。
精神力で巨大船を航行させるなど、この原始時代にはありえない技術である。
この船は通常の物理法則から外れているのだ。つまり物理を超えた現象が働いているのだ。
そんな未知の領域で展開されるストーリーがどのような結末を迎えようとしているのか…。それは誰にも分からない事だった。
だが一つだけ言えることがあるとすれば、それは彼等は新天地に踏み込むであろうという事だけだった。

第一部完
第二章 新天地
アル達は、目的地である美しい石が積まれた都市にたどり着いていた。そこはまるで、機械仕掛けの城だった。
中心部には青い水晶で構成された建築物があり、そこから放射状に同じ色合いをした縦長の長方形が乱立している。


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