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原始人
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原始人 7

「参ったなぁ…俺が石槍の作り方を教えたのは獣や魚を採るために使うと思ったからなんだ…人間に向けるとは聞いてないぞ」
…とはいえアルも二人殺しているのだが…。
長老は言った。
「その点なら安心せい。ワシらとて争いは好まん。ただ、村や家族を守るための戦いならば容赦はせん。この石槍を人間に向けるのは、そういう時だけじゃ」
「うん、俺は短い間だったが村に滞在して解った。ここのヤツらは気の良い連中だ。信じてるぞ」

そして、アル、ティティ、マアは船に乗り、村を後にしたのであった。


数日後、船は島に着いた。
その辺りは幾つかの島がまとまった群島で、それぞれの島にマアの村と似たような感じの集落があり、海の恵みに頼って暮らしていた。
その内の一つの村の長老からアルは興味深い話を聞いた。
「俺達が住んでいた大地の他にも大地があるのか!?」
「うむ…この島々はちょうど北の大地と南の大地の中間辺りでな…お前達が南の大地に行きたいと言うのであれば連れて行ってやっても良いぞ…」
 アルにとってはまた新しい単語が出てきた。
「ええと、太陽の昇る方角を左手に、太陽の沈む方角を右手にして、まっすぐ見た方向を『ミナミ』その反対を『キタ』っていうのだな」
「そうじゃ」
「その大地、行きたい…そこは、もっと、暑いのか?」

 この村も、暑いので、男も女も上半身は裸だった。
「その大地の、その村は、われわれのところとそれほど変わらない。海からの風は、それほど熱くない…しかし…ここからは、わしも見たわけではない…伝説だが、その南には、砂ばかりの、水がないところが広がり、その向こうでは、また、涼しくなっていく、という話もあるのじゃ」

「そんなに…続いているのか…」
「あくまでも、伝説じゃがな」

「そして、また、太陽が昇る方向には、石で作った建物がある地がある、という話をする者もおる」
「何?!石で、建物を、作っているだって?!」
 アルは想像しようとした。建物を作るからにはかなり大きい石を、何人かで、運ばなければならないはず…それとも、俺の想像できないような、すごい仕組みがあるのか??

 「この村でも、見た者はいない」
 「見ることは、どうしたら、できる??」


 「南の、大地には、船で行ける…そこから先は、わしもわからない。行った先で、分かるかも、しれない」
 「その船は、いつ来る?」
 「あせるな」

 そこでアルと長老の話は終わった。

 その村は魚も野菜も果物も豊富で、三人は特に何もしなくても満足できるくらい食べることができた。

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