原始人 34
船が出ないまま夜を向かえた。
どうやら何か船にトラブルがあったらしく、聞きなれない単語が聞こえてきた。
村の方ではポツポツと明かりが見えてきていた。股間から蔓を放って気絶した男達が目を覚ましてきているのかもしれない。
「良かった、死んだりはしてなかったみたいだ」
アルは安心をした。
そこにジョオが話しかける。
「船が動き出すまで間がある。ちょっと二人で色々楽しんでいかないか?」
ジョオはある個室を指差していた。何やら考えがあるらしい。
「そうだな…あの不思議な箱といい、この船は色々と興味がある」
アルはジョオについて歩いた。
部屋の中にはジョオが連れてきていた四人が居た。彼等はまだ箱に入れられたまま眠り続けていて微動だにしていない。
後に入ったジョオは扉を閉めた。部屋の中は当然ながら暗くなった。
しかし、しばらくすると目が慣れてきて、4つの箱とその中の男の姿が見えてきた。
ジョオは一つの箱に手をかけた。
アルは少し離れてそれを見ていた。その蓋は意外と簡単に動いた。
「おい、開けて大丈夫なのか?また襲われたりしないだろうな」
アルは慌てて声をかけた。
だが箱の中の船員は青く透き通った泥のような塊にはまりこみ立ったままだった。これにより全身が安全に固定をされているらしい。
「これには衝撃を吸収する力があるみたいだ、それになんだか心地いい感触だ」
ジョオはその青い塊を触りながら言う。