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原始人
官能リレー小説 - その他

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原始人 32

 前を走っていた少女が、随分明るくなった空をバックに一度立ち止まってこっちに両手を振る。アルたちはその方向に早足で歩く。
 「あ、船、大きい」
 マアが呟く。
 さっき少女が居た場所に立った一同は、広がる海、そして、昇ってくる太陽を背にした船を見ていた。
「これなら船員達も全員入るな」
ジョオに言う。
「あいつら全員を連れていくのか?あいつらには自分達の船があるだろう」
「しかしここに置き去りにすると何をするかわからない。一時的に引き離しておけば頭も冷えるだろう、他の船員が居るから前みたいな事もやられないだろうし」
「あの四人は俺の労働力として連れてくとして、後の奴らを積み込むのに船の人が協力するかな…」
 アルたちは早足で少女を追って船のところへ行く。
 アルたちが着いたときには、その船から降りた人…彼はもちろん布を身に付けていた…と話しているところだった。
 彼は裸の少女を見ても戸惑っている様子はなかった。
 「マア、あの言葉分かるか?」
 「もちろん。この島で話しているのと同じ言葉」
 「何て言っている?」
「とりあえずは大勢が乗れる余裕はある、そうね」
余裕があるにしても村で気絶した船員をこの船の船員が全員運び込んでくれるとは思えなかった。

だが予想に反して船員を連れ込むのはスムーズに進んだ。
新たな船の男達が石の様なもので出来た箱のような物を貸してくれたのだ。
その箱を気絶した船員に近づけると次々に中に引き込まれていく。それだけではない、彼等を入れた箱がマアでも簡単に動かせるようになっていたのだ。
「どういう仕組みなんだ?見た感じは重そうなのに」
軽くなったとはいえ船員全員を運び込むのは時間がかかったが、とにかく全員長細い箱に収まり船に乗った。
最後に運び込まれたのはジョオが捕まえていた四人だ。彼等の箱だけ色が黒く、識別は容易だった。
「何とか全員が乗ったがこれからどうするんだ?」

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