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原始人
官能リレー小説 - その他

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原始人 18

それにしてもジョオはなぜ武器を持って戦わなかったのだろうか、それに余裕ありげなのも気になる。
それはすぐにわかることとなる。
全裸のジョオがフラフラと出てきた。
「あいつらなら気絶したぞ、俺が仕込んでた薬でな」
気づけば他の男達の盛り合う声すらもしなくなっていた。その代わり白い汁の生臭い濃い空気が漂ってきた。
ジョオが言うには性的な興奮で効果を発する薬を食事に混ぜていたらしい。
「じゃあ、俺達が襲われたのはその媚薬で…」
「襲ってきたのはあいつらの意思だ。襲ってきたから効果が出たんだ、薬が彼等の体内にあるうちに襲ってきてくれて逆に良かった」
「気絶してるうちに船から飛び降りるか?」
「難しいかもな、お前はよくても二人が長く泳げるか心配だ。それよりも気絶した男達を一ヶ所に集めて動きを封じてからこの船を安全な場所にまで動かした方がいい」
 「お前、これ、思い通りに動かせるのか?」
 「少し、分かる…ただ、手伝ってほしい」
 「ああ」
 「じゃあ、まず、畳んであるあの布を、元に戻してくれ」
 ジョオはティティとマアにも同じように頼んだ。
 どんな風に元に戻すかは、強風で畳んでいるところを見ていたから分かった。
 そしてアルは、これが「帆」というものだとジョオから聞いた。
帆が広がると船が加速し始めた。
「後はよくわからないな、詳しくないから」
ジョオが言う。
ジョオがわからない事を他の三人がわかるはずもなく、四人は見よう見まねで船を操作する。
そうこうしているうちにだいぶ慣れてきた。
 やがて、さきに泳いで渡ろうとした陸地が近づいてくる。
 「よし、止めよう。ところで、どうやって、止めよう?」
 アルはジョオの方を見て言う。
 「帆を広げたら動く…帆を畳むと、きっと止まる」

 四人は直ちに帆を畳みにかかるが、船が岸に近づく方が早かった。やがて、大きな衝撃を受けて、船は止まる。

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