原始人 16
しかも腰巻を突き上げて勃起している。
「ヤベェな…」
「無理矢理は嫌だよ」
ジョオがいきなり突進した。肉壁の隙間を見つけて通り抜けようとした。
「バカな小僧が」
あっさり捕まり、そのままうつ伏せに押さえ込まれた。
「た、助けてくれ、ティティとマアが目当てなんだろ?」
必死に救いを乞うアルに、男達は嗜虐と愉悦の笑みを浮かべる。
「いーや、お前達だ。ほれ、捕まえた」
アルも同じく、別の男に捕まり押し倒された。お互いに頭を向かい合うように、場所を揃えられた。
「うわ、やめてくれよ!」
「な、頼むから許してくれ」
そんなとき、遠くの方も騒がしくなってきた。ティティとマアも襲われているらしい。
早く駆けつけたいところだが、まずはこの四人をどうにかしないとこちらもどうなるかわからない。
「おい!武器を隠すぐらいならなんで一本ぐらい盗まなかったんだ」
アルはジョオを責め始めたがジョオはまだ余裕のある顔をしていた。
だがそれもすぐに終わった。
「バカがケツ差し出してやがるぜ…うりゃっ!」
「ぎゃああ、痛い痛い!!」
「誰だって最初は痛いんだよ。ゲヒャヒャ」
ジョオのケツに、男の太い肉棒が凶悪に押し入り、括約筋に無理な力を掛ける。
他の男達は、犯されるジョオを見下して笑っている。
激痛に叫ぶジョオと向かい合うアルは、既に血の気が引き蒼白だった。
「痛い!頼むやめて、痛い!」
ジョオはどうして奴等の武器を奪わなかったのだろうか。
武器さえ持っていればこんなことにならなかった筈である。何か考えがあるらしいのだが、今の様子を見る限りでは最悪の状況になっていっているとしか思えない。
男達は既に全員が腰布を脱ぎ捨てていた。
アルは考えていた。このまま、ジョオのようにやられるのか、回避するのか。
回避したい。でも、仮に争ったら、どうなるか?何人もに囲まれて殴られるのか、最悪、海に落とされる、もあり得る…
アルはティティとマアのことも考えた。襲われているのだろうか…でも、もしそうなら、言い伝えの天上の存在は『カテ』を変えるのを思いとどまってくれるだろうか…
"その方が、ましだ"
アルは自分に言い聞かせた。
もし『カテ』を変えられれば、もう以前のティティやマアにはもう二度と会えないかも知れない…アルはそんなことを一瞬で考えていた。