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原始人
官能リレー小説 - その他

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原始人 14

波が静かになり手が空いたので男達はそわそわし始めた。
ジョオが覗いてみると腰布の上から股間を押さえて下品な笑みを浮かべている者すら居た。それは副船長のサボという男で、額に傷があった。
「あいつらやっぱり俺達を襲う気らしい」
大勢の男達の出す卑猥な熱気にジョオは、興奮を誘発させられてきている。
 "やはり…"
 ジョオの不可解な行動でもしやと思っていたアルだが確信に変わった。
 "ジョオは、男に興奮している"
 アルは、小さい頃親から聞いた言い伝えを思い出していた。
 "男と男が、愛し合うことは、ある。しかし、もし、それが当たり前になったとき、天上の存在が『カテ』を変えてしまうだろう…”
 「カテ、って何?」アルはその時親に訊いたが、あまりはっきりした答えはもらえなかった。世の中の、枠組みそのものなんだ、みたいなことだった。
とりあえずはジョオを落ち着かせようとするのだが、ジョオはとんでもないことを持ちかけてくる。
「なあ、いっそのこと彼等を黙認してマァとティティを襲わせてみないか?」
非常識で失礼な提案ではあるが、性に対してあっさりしているこの時代ではアルが激怒するまでにはいかない。現にアルは勝負の賞品みたいにマァを自分のものにしている。
「しかし、あれだけの男達が二人を大事に扱うとは…」
「危険な時は背後に回った俺達がギャバーを人質にするんだ。ギャバーはマァがお気に入りみたいだからな、背後から近づけば勝てるかもしれない」
「一番偉い奴を捕まえたくらいで暴走した周りの男達が止まるかな…それに俺達があいつらから逃げられるとは思えないな」
「あくまでも二人が酷い目に遭わされた場合の最終手段だ!」
アルはとりあえずはジョオの提案に乗るしかなかった。あの人数を止めることは出来ないのはわかりきっていたし、他に案もないからだ。
「二人が俺以外に抱かれるのは許せないなぁ…」
しかし、不満で頭がいっぱいだ。自分達も危ういということは頭に無い。

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