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原始人
官能リレー小説 - その他

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原始人 13

男達が作業に集中しているのが幸いだった。しかし、このままだと男達が動く前に船自体が沈んでしまうかもしれない。
「このままだと襲われるどうこうではないかもな…」
ジョオは海を見た。
アルは船員の男の作業に手を貸すのを提案した。
この船の船長はギャバーという髭面の男だった。ジョオが筋肉質な大男なのに対して、この男は背は低いがどっしりとしたパワーファイター的な体型だ。
彼はならず者らしい船員を上手くまとめて作業している。
「ああいうのとはあまり関り合いになりたくないな…」
ジョオは乗り気ではない。
 アルやティテイは、船の男たちの言葉がわからなかったが、ジョオとマアには分かるようだった。アルはマアに、何か手伝うことはないかと聞いてもらった。
 結果は、もうできることはやった。あとは、この強い風が終わるのを待つしかない、ということだった。
 
しばらく激しい揺れに耐えていると、風が止んできた。揺れも大分ましにはなってきている。
天気はまだ悪いままではあるが、一応は好転しつつあるらしい。だが、油断はできない。
アルはジョオに話しかける。
「天気がよくなったのは良いがギャバーの動きが気になるな」
 「ああ。風の時、マアから話しかけたからか、やけにマアに話しかけるようになった」
 「あとどのくらいで着くのだろう」
 「太陽が二回昇ったあと、って言ってる」

 二人は海を見た。陸の影は見えない。ひたすら、青い、水。

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