原始人 12
ジョオが近寄ったので肉の柱が合わさった。その感触を楽しむようにジョオは腰を上下に揺らし始める。
ジョオはアルの飛距離がなかった理由に気づいていた。だからこそますますアルに男としての恩を感じるようになってきていた。
アルとしては、この理解に苦しむ状況から早く逃れたかった。
「もう、勝負は終わりでいいだろ」
アルは返事を聞く前にその場から少し後ずさりし、さっき脱いだ腰みのを手にとって再び付け始めた。
ジョオは特にそれを止めたりはしなかった。
勝負がうやむやになったまま、時間だけが過ぎる。
そんな時、船が来た。
この島に行くのに利用した船と同じように上半身裸の男達ばかりが乗っており構造もそう変わらないようであった。
しかし、船員の男達はなんだかならず者の寄せ集めのような雰囲気で少し統制がとれていないような感じがある。
四人は船の片隅に乗る。
食糧と水は分けてもらえるが、それ以外はあまり船員との接点はない。前の船はそこまで居心地が悪いわけではなかった。みな緊張しながら船旅を続ける。
三日目。これまで晴れて穏やかだった天候はだんだんと下り坂になっていった。雲が早く流れ、船は揺れ始める。
「アル、こわい」
ティテイもマアもアルの近くに寄る。
天候が下り坂になり、男たちは船の作業に忙しくなった。
ジョオが小声でアルに話しかけてくる。
「こいつら、欲情してなかったか?」
「俺もそう思ってた。俺達にもティティやマアにもやらしい目を向けてた。」
「私、帰りたい。」
「アル、怖いよぉ。」
男達が忙しくなるまでは、4人に下卑た視線を向けていたからだ。
ティティもマアも、怖がっているのがありありとわかる。