原始人 11
アルはもう、発射させようとすることは止めてジョオの方を見ていた。ジョオの考えがアルには分からなかった。
"負けた"と言ってもよかった。しかし、その後のジョオの反応が予想しづらかった。
自信を取り戻してそのまま帰ってくれれば、シンプルだ。もしマアを連れて帰るなら、アルとしてはイヤだが、元に戻るだけなので仕方がないだろう。
しかし、ジョオには村に帰る気はない。アルと共に海に出るつもりだ。
それならマアを取られても、生活に変化はない(ジョオが増えるが)のではなかろうか?
アルはぼんやりとそんな事を考えながら手だけを動かす。
だが、ジョオは中々出ないアルに不満があるらしい。自らのを扱きながら空いた左手で頭を撫でてくる。
アルとしては、負けを認めることは構わなかったが、頭を撫でられては子供扱いされたようであまり気分のいいものではなかった。
「おい、ジョオ、ちょっと集中させてくれ」
アルは、出そうと努力している風を装って目をかたく閉じた。
目を閉じている間にジョオは更に積極的になっていく。
ジョオはアルの前に回り込む。アルは目を閉じたままだが気配でジョオがどう動いたかがわかった。
しかし、あえてまだ気づいてないふりをして股間をつきだした。射精が近くなってきている。
やがて、アルは汁を発射した。でも、やはり、さきのジョオより、飛距離がなかった。
「ハハハ」
ジョオが笑う。
「これで、あいこだな」
「あ、ああ」
「これからも、よろしくな」
ジョオはアルの両手を握った。