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爆乳だらけの搾乳ライフ
官能リレー小説 - その他

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爆乳だらけの搾乳ライフ 5

「痛ッ」
「あッ、ゴメンなさいヨウスケくん! その・・・大丈夫だった?」
「大丈夫ですよ。 ちょっと痛かっただけですから・・・」
「ゴメンなさい。 “久しぶりの男性”の前に、少し興奮しすぎたようね」
「へ? 久しぶり? あの、リエさん・・・この島には男の人はいないんですか?」
リエの意味深な言葉に、彼女の胸に顔を埋めていた陽介はそのままの状態で顔を上げ問うた。
彼の言った事になんとも言えない表情をするリエ。さっきまでの熱く甘い空気が一瞬で重い沈黙へと姿を変えた。

「・・・・居ないのよ。 この島には・・・ヨウスケくん、君以外に男の人は誰一人いないの。 それも――5年前から・・・ね」

彼との抱擁を解き、一人窓へと足を進めるリエ。背を向けており彼女の表情は一切見る事が出来ないが――その背中は、とても寂しく見えた。

「え。5年・・・前?」
「そうよ、ヨウスケくん。 ねぇ、君がこの島に漂流した切っ掛けって・・・何だったかしら?」
「えっと・・・船に乗ってた途中に嵐に遭って・・・って、まさか?!」
驚愕の声を上げる彼にリエは振り返って微笑を浮かべる。――それが正解だと言わんばかりに。
「五年前の一昨日・・・島の天候は雲ひとつない快晴だった。 だから島の男性達は、皆漁へ海へ繰り出していったわ・・・」
微笑を浮かべたまま、顔はあさっての方向へと向けながら淡々と話し始めるリエ。背中に感じる悪寒を抱えながら、陽介はただジッと彼女の言葉に耳を傾ける。
「豊漁だったのでしょうね。 沖からは男達の嬉しそうな笑い声が島にまで届いて皆して笑ったものよ。 でも・・・」
一度言葉を区切った彼女。顔を伏せ、体をプルプルと振るわせ始める。

「でも、次の瞬間・・・その笑い声が悲鳴と絶望、悲しみの叫び声に変わるのに大して時間は掛からなかった・・・」

「雲ひとつ無い晴天に少しずつ、少しずつ雲が出始めたの。 最初は気にも留めなかったけど、雲の異常なまでの増えように私たちは寒気を覚えた。 だから男達に叫んだわ。 『早く戻って!』、て・・・」
彼女一人の独白が静まり返った室内に響いては消えた。
「男達も気づいたんでしょう。 道具を急いで片付けて、必死で櫂を漕いでいたの・・・でもッ」
「でも・・・?」
まるで親の仇を見るような表情になるリエに、陽介は思わず聞き返す。
「間に・・・合わなかったわ・・・。 突如発生した大嵐で海は大シケ。 風も凄くて立っていられない程・・・でもその時、見たの・・・見て・・・しまったの」

―大波によって海に投げ出された男達の姿を・・・。



鉛の様な重く、息苦しい空気が充満している。
陽介はイスからピクリとも動く事が出来ず、リエも顔を伏せ表情をうかがう事ができない。
何か言わなければ、そう思うもののたかが16歳の少年に何が言えようか。言える筈が無い。
「・・・ゴメンなさい。 空気悪くしちゃったわね」
「あ、いえッ、そんな・・・こっちこそすみませんでした」
彼女の言葉に興味本位で質問してしまった、少し前の自分を思いっきりぶん殴ってやりたい。
そんな怒りにも似た感情が彼の心の中を埋め尽くしていく。
「そうだ。 少しこの島を歩いてみたら? まだ知らない事が沢山あるでしょう」
「そう・・・ですね。 そうさせてもらいます」
その微妙な空気の中、無理やりにでも自分を気遣うリエに申し訳なさがイッパイになった陽介は、逃げるように外へと飛び出した。



空はこれでもかと言わんばかりの快晴。雲のひとつも浮かんでいない。
こんなにもいい天気に恵まれているというのに、陽介の心は罪悪感で重く沈んでいた。
(あー・・・知らなかったとは言え、よけいなこと聞いちゃったなー・・・。
 リエさんもできることなら思い出したくなかっただろうに・・・)
できることなら今すぐ戻って謝罪したい。
でもそんなことで簡単に解決するような問題でないこともわかっている。
一体何をどうしたらこの胸のモヤモヤを取り除くことができるのか。
解決の糸口すら見つからない状況に、陽介は思わず絶叫した。
「あ〜〜〜〜っ!!??もおぉぉぉ〜〜〜〜〜〜〜っ!!??」
「「「「「っ!?」」」」」

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