PiPi's World 投稿小説

“リア充”始めました
官能リレー小説 - その他

の最初へ
 50
 52
の最後へ

“リア充”始めました 52




―――ppppッ、ppppッ!

目覚ましのアラームとは違い小さく軽快さを感じる音が広くなった俺の(元)自室に鳴り響く。鳴り終わり静かになったのを見計らうと、傍で待機していた恵理は音の発信源である物を手にとる。
そして、其処に表示されているモノを見て呆れた表情をした。
「38度9分・・・完全なる風邪だね」
彼女の手にある機械、体温計が示す数値を見て恵理を始めとした何時ものメンバーは呆れや心配そうな表情をする。
「へぇ・・・エッチする事しか脳の無い煩悩低俗人間にも風邪って引くのね」
「ああぁぁ・・・兄様大丈夫ですか? 麗に出来ることがあったら何でも言って下さいね!?」
「信ちゃん死なないで! キャロを一人にしないでくださいッ!」
「落ち着いて二人とも・・・でもこればっかりは信哉様が悪いと言わざるを得ませんねぇ・・・」
いつもの様に俺を見下すアスカに、逆にコッチが心配してしまう麗とキャロル、そんな二人を落ち着かせようとするが此方を見て重いため息を吐く深雪さん。

「ごほッ・・・げほげほッ! アスカッ・・・この野郎ッ・・・・なんで俺だけ・・・げほッげほッ!」
キングサイズのベットの上、額に熱冷シートを張っている俺はアスカを親の敵を見るように睨み付ける。
しかし、先ほどからこみ上げてくる嘔吐感や寒気、ダルさに熱さがジワジワと蝕んでいる状態では何の脅威もありはしない。
それに加え、この激しい咳のお陰で俺の体調は悪化の一途を辿っている。
「はぁ・・・夜路遅くに帰ってうがい手洗いもせずお風呂にもはいらないからそうなったって仕方ないじゃないか。
そんなことより、ほら今の君は病人なんだから激しい動きはしない。 絶対安静すること」
そんな俺をため息と呆れた表情、口調の恵理。体温計を入れるために開けてあったパジャマのボタンを閉めながら言い聞かせる。
そう、何故俺がこんな状況になっているかと言うと先の恵理の言った通りなのだ。
あの後、深夜の公園で初のアナルセックスを経験した俺たち。互いの思いを確かめ合った俺とアスカは手を繋いで家へと帰宅した。

しかし、問題はその後の事だった。

家につき鍵が掛かっていないドアを開け中へと入った俺たち。時間は最早日にちが変わろうとしている時間帯。
セックスのヤりすぎによる体力の消耗と本能からくる強い眠気に耐えられず、俺は深雪さんから耳にたこが出来る程言われた手洗いうがいを忘れ、あまつさえ汗だくのままベットへと入ってしまった。

そして翌日、というか今現在。
なかなか起きてこない俺が気になったのか様子を見に来た彼女たちが入室。
ベットの上、あきらかに体調が悪いであろう俺を発見、すぐさま体温計で体温を測り示された数値を見て呆れ顔。
こうして俺こと悠木 信哉は見事風邪を引いたのであった。

「はいはい。 皆、そろそろ時間よ。 早く支度して学校へいきましょう」
パンパンッと手を叩きこの場を指揮する深雪さん。彼女が言っている事は正しく、時計を見ればそろそろ家を出なくてはシャレにならない時間帯になっていた。
だが、ベットに横たわっている俺の視界には制服を着た彼女たちの姿が。どうやら、食事と着替えは済ませてあるらしい。

「では信哉様。出来るだけ早く帰りますので部屋を温かくして大人しく寝ていて下さいね」
「行って参りますお兄様」
「帰りに元気の出る食物買って来てやっから」
「・・・・・・・・・・まあ、お大事にね・・・」
少女たちは口々に挨拶した後部屋を出て行く、さすがにアスカは少しだけバツが悪そうだ。
「信君!本当に体に気を付けてね!気分悪く成ったら電話してね!キャロルスグ駆けつけるから!も、もしキャロルが帰って来た時に信君が死んじゃってたら、わ、私・・・・」
(オーバーな・・・)
「ハイハイ遅刻するよキャロル」
目に涙さえ浮かべながら最後まで粘っていたキャロルも、業を煮やした恵理に襟首を掴まれ、まるで散歩を嫌がる犬の様に無理やり引き摺られて行く。
(やれやれ・・・)
彼女たちの登校を見届けた俺は、深雪さんに命じられた通り、布団を被るとスグ深い眠りに落ちたのだった。

――ちゅぷ・・・・ぴちゅ・・・・ずちゅ・・・・。

熟睡と言う名の深海をゆっくりと漂っていた俺は、不意に感じたむず痒さに意識を急浮上させる。
やがて、一足遅れてやって来た怠惰感や気だるさが寝起き直後の体をズッシリと支配する。それと同時に感じる下半身から送られてくる何ともいえない気持ち良さ。
俺以外に存在する者が居ないはずのこの部屋に、粘着質の水音が小さく静かに響いていた。

(何だ・・・?)
高熱を出してまともな思考が出来ない俺。数分ともいえる時間の間、ただ目を開けたままジッと天井をボンヤリと眺めている。
そして、のっそりとした動きで視線を天井から布団へとチェンジ・・・――すると其処にはこんもりとした小山が・・・。

SNSでこの小説を紹介

その他の他のリレー小説

こちらから小説を探す