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“リア充”始めました
官能リレー小説 - その他

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“リア充”始めました 1


朝、そろそろ夏と秋が入れ替わりを見せるこの時期、俺が通っている佐代高校のある一教室ではすでに秋を通り越して極寒の真冬が到来していた。
「あ、あの〜・・・・もう一度言ってくれないかな?“君達”は“彼”の何だって?」
黒板の前に立っている教師がその顔から汗をながしながら目の前の“彼女ら”に聞き返していた。
(やめて先生!もう俺のライフはとっくにゼロだからーーーーーーーー!!!!)
教師の声を耳にしながら先ほどから野郎どもの殺気と嫉妬の視線を浴びている俺は心の中でそう絶叫した。
しかし、どうやら運命の神は俺の事を嫌っているらしい・・・・。
「もう一度言うわよ!私たちはそこで机にへばってる悠木信哉(ゆうきしんや)の“婚約者”よ!!」

この瞬間をもって俺は彼女達との“リア充”生活が幕を開けた。

「「「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!?」」×24人(俺除く)
五人の代表で言った赤毛の長髪をツインテールにした美少女(巨乳)が言った言葉に女子全員と教師、そして俺に殺意と嫉妬の波動を送っていた男子全員が声を上げる。
そんな中、ただ一人すなわち俺こと悠木信哉はスライムのように机に「べチャ」とへたばっている最中であった。
「何?アンタ達知らなかったの?って言うか信哉、あんたコイツらに言うの忘れてたとは言わせないわよ?」
「・・・(汗)」
「もぉ〜。信君ってば私達の事、忘れてたのぉ〜?」
赤毛の少女に言われ汗を流す俺に、その隣のクリーム色をしたロングヘアーの美少女(此方は爆乳か?)のちょっと間延びした声にさらに嫌な汗がダラダラと流れ出ているのがわかる。

別に忘れた分けでは無い。タダ正直勘弁してくれといった気分なだけだ。

そもそも婚約者が五人居るなどというややこしい事に成ったのは、俺の祖父のせいだ。
俺の祖父は日本でも有数の大企業の社長で、たった一人しかいない孫である俺を溺愛している。
それは良いのだが、戦前まで貴族の家柄だったという心の底からお坊ちゃま育ちの祖父の愛情表現は、ある意味常軌を逸しており、俺も小さい頃は随分と苦労させられたものだ。
特に祖父は大事な愛娘である母が、しがない庶民の出である俺の父と結婚した事が、未だに許せないらしく。父とは、顔も合わせようとしない。
俺に五人もの婚約者が居るのはそのせいで、祖父は愛する孫である俺の妻は、自分の眼鏡にかなう女でなければ成らないと日本中から選りすぐりの少女たちを選び、勝手に俺の婚約者としたのだ。
お蔭で俺は若干17歳にして五人の婚約者を持つという、訳の分からない状態に陥ってしまった。

「・・・さて、話を聞かせて貰えないか?親友?」
「「「・・・・・」」」
HR終了後。お約束の如く、俺の机の周りを包囲する我が親友の佐藤と無言の圧力をかけるクラスの男子12人。
あの後、彼女たち五人は勿論女子の皆さんにクラスの墨で根掘り葉掘り質問の嵐にあっている。
「えぇっと・・・・・言わなきゃ「さっさと吐け」了解・・・」
僅かな望みを賭けた質問は遭えなく却下。俺は小さくなりながらも事のあらましを吐くかなかった。
話すこと数分。
「「「「「なんじゃそりゃーーーーーーーーーーーーーー!!!!?????」」」」」
ガラスを割れんばかりの音量がクラスにこだまする。
「なにそれ!?リアル!!?」 「この裏切り者がーー!!」 「爆破・・・嫌、殺!」 「羨ましい・・・・ブツブツ」
「・・・」
様々な反応を示す男子たちに俺は無言で目を逸らすことしか出来なかった。

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