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“リア充”始めました
官能リレー小説 - その他

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“リア充”始めました 48



「深雪さんの言うとおりですよぉ・・・」
「はい・・・深雪姉さまの言うとおりです。 恵理姉さま・・・」
突如、私の右から聞こえてくる聞き覚えのある二つの声。振り返ってみると、其処にはパジャマ姿のキャロルと麗の姿があった。
二人とも、眠いのか目をコシコシと擦っている。
「あれ? 二人とも・・・もう寝ちゃったんじゃ?」
以外そうに私は言う。今現在の時間は夜の9時ちょっとすぎ。女性にとって、夜更かしと言ってもいい時間だ。
「それがですねぇ・・・なぁ〜んでか、寝付けないんですよぉ・・・」
ピンク色の可愛らしいパジャマを着て、困った表情で言うキャロル。サイズが合っていないのか、私たち5人の中でも大きい120センチオーバーの胸が窮屈そうに収まっており、形が丸分かりだ。
(なんだろうか・・・この敗北感・・・)
そんな彼女を見て、私は知らず知らずの内に自分の胸(自分ではCカップだと思っている)を撫でていた。
彼女とは違い、僅かしかない膨らみ。見れば、深雪も彼女の胸を見て自身の胸に手を当てていた。

「あれぇ? 何してるんですか? それにしても、恵理さんや深雪さんはいいですよねぇ・・・おっぱい小さくて・・・」
そんな私たちが不思議に思ったのか、首を傾げる彼女。
天然と寝ぼけが混じっている今の彼女の発言は、リビング内の温度を10度も下げる効果があった。
「「「くッ!(うぅ・・・)」」」
私と深雪、そして麗の何とも言えない悔しさが言葉となって零れ出る。いくら体質の差(?)とは言え、これは幾らなんでも理不尽すぎやしないだろうか。
「そ、そう・・・ですか。 それで・・・あの、何故うーちゃんまで?」
「んン・・・それは・・・ですね・・・・ふぁあ・・・」
強張った顔で、何とか相槌をうつ深雪。そして、さっきから私も気に掛かっていた事を質問した。
この家で最も小さい彼女。体躯と精神がマッチしているのか、何時も彼女は8時には夢の中に行っているのだ。
そんな彼女が、眠たそうな表情で此処に居る事が、私には信じられなかった。

「んと・・・お兄ちゃんとお姉ちゃんが最近仲良くないから・・・麗、心配で・・・」
眠気の影響で幼児後退を起こしている麗。舌足らずな口調だが、その中には二人を本気で心配している気持ちが現れている。
僕たちの中でも、とくに二人に懐いていた彼女だからこそ、最近の二人の仲に思う所があったのだろう。
「それに・・・お兄ちゃん・・・全然元気がなくて・・・うぅ・・・麗・・・麗・・・ひっく・・・」
そして、ついには涙声になっていく麗に深雪は無言で彼女に近づいていく。
「そうだったの。 うーちゃんは優しいね。 でも、大丈夫・・・明日になったら、またいつもの二人に戻っているから・・・」
泣いている彼女を、深雪は優しく抱きしめる。豊満な胸に収まった麗の小さな頭を優しく何度も撫でながら、言い聞かすように言う様子は、さながら母親のようだ。
「うぅ・・・ひっく、うくッ・・・本当?」
そんな深雪の母性に安心したのか、彼女の胸に収まっていた麗は心配げに見上げる。
「うん、大丈夫。 お兄ちゃんとお姉ちゃんがとっても仲良しなのは、うーちゃんも知ってるでしょ? だから、絶対に大丈夫」
力強く言い切った深雪。麗に向けられたはずのその言葉は、この場に居る僕やキャロルにも向けられている気がした。
「えへへ・・・大丈夫・・・だいじょう・・・ぶ・・・すぅ・・・くぅ・・・」
安心しきったのか、彼女の胸元で麗は夢の世界へと旅立った。


「麗ちゃん。 お部屋に連れて行きますね・・・」
「えぇ、お願いします。 キャロちゃん」
完全に電池切れした麗を起こさないように気をつけながら、深雪はキャロルへと抱き渡す。
廊下へと姿をけしたキャロルを見送った後、また彼女はテーブルへと戻っていった。
「深雪、君って案外保母さんがお似合いかもよ?」
頃合を見計らって、僕はそう茶々を飛ばす。
「まぁ・・・恵理さんったら。 冗談はあまり言うものでは無いですよ?」
困ったような笑みを浮かべて深雪は僕に抗議してくる。冗談は承知の上で言った事だが、内4割ぐらいは本気の事だ。

「まぁ、それはさて置き・・・本当? 二人が明日には元通りってのは・・・」
笑いを引っ込め、怪しむような口調で彼女へと質問する。言っては何だが、あんなギスギスした二人が一日で元に戻るとは到底思えない。
「恵理さんも心配性ですわねぇ・・・。 うーちゃんにも言いましたが大丈夫です。 明日になったら、絶対に元の仲に戻っていますよ」
疑われたことに不満なのか、若干不機嫌な顔になる深雪。それでも、麗に言ったような力強い口調で言い切った。

「深雪さんの言うとおりだと思いますよぉ、恵理さん」
「・・・キャロル・・・」
おっとりとした口調の彼女。ゆっくりとした動きでキッチンへ向かうと、てきぱきとコーヒーの仕度を整えている。
「で、何で分かるの? そんな事・・・」
「だってぇ、信君って所謂「絶倫」って言うんでしょう? そんな絶倫さんが、女の人を悲しませる訳ありませんよねぇ」
キッチンにいるキャロルに向かって質問する僕に、彼女はニコニコと笑みを浮かべながらインスタントコーヒーをカップへと注いでいく。
そして、トコトコと歩いてきて僕の右隣に腰を据える。

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