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“リア充”始めました
官能リレー小説 - その他

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“リア充”始めました 30

(そこまでやりたかったのか?・・・メイド喫茶)
喜びの雄たけびを上げている男子生徒達に、俺は呆れた表情で見つめる。正直な話、俺はメイド喫茶にさして興味がないのだ。
「お、どうした信哉? お前は嬉しくないのかよメイド喫茶?」
一人蚊帳の外である俺に気づいた親友の佐藤が声を掛けてきた。コイツが今回の「メイド喫茶」を五時限目開始早々に上げた第一人者だ。
「あ〜・・・何ていうか・・・そのぉ〜・・・な?」
そんな佐藤に、俺は視線をある一点に向ける。その一点は言わずもがなアスナたち五人組だ。
彼女たちは、今回の出し物について色々な表情を浮かべていた。
「かぁ〜っいいよなぁ、お前はよぉ! あんな可愛い娘たちがお前の婚約者だなんてよぉ。 でもさ・・・お前、見てみたくない? アスカちゃんたちのメイド姿・・・」
「っ?!!」
右手で顔を隠しながら嘆くそぶりをする佐藤。だが、次の瞬間俺にしか聞こえない声でそう呟いてきた。
その言葉に、俺の頭の中で高速に未来(と言う名の妄想)が広がっていく。。

「「「「「ご主人様!!ご奉仕させて頂きます!!」」」」」
俺は可愛らしいメイド服を着た五人の美少女たちに、エッチなご奉仕をされる妄想で、股間を固く大きくしてしまった。
(うっ不味いな・・・近頃欲望の押さえが効かなくなっている気がするぞ・・・)
「まっまあ、そこそこ似合うんじゃないかな?」
股間の強張りを隠す為、俺は必死で関心の無さそうなフリをした。
「フン!どうせお前のような恋愛ブルジョワジーに俺達プロリアートの気持ちは判るまい・・・見てろよ!何れお前から彼女たちを解放してやる!恋愛革命万歳!!恋愛マルキシズム万歳!!美少女は皆の者だ!!」
一歩間違えれば、もの凄く卑猥で危険な事を叫びながら、佐藤は去って行った。
(・・・あいつと友達で居るの止めようかな・・・)



そして三日後の文化祭当日。
「いらっしゃいませ!ご主人様!!メイド喫茶ミルクへようこそ!!」
始めは渋っていた女子たちも、始まってしまえば、何だかんだ言って楽しそうに働いている。(男子に関しては言わずもがな)
特にうちのクラスは美少女が揃っているので、彼女たちを目当てに、客である男子生徒や生徒の父兄たちが、引きも切らずに押し寄せて来ている。
(原価一杯十円のインスタントコーヒーが、五百円か・・・暴利も良い所だな・・・この調子なら、凄まじい儲けに成りそうだ・・・)
俺は内心男の悲しいスケベ心に苦笑しながら、ただひたすらにコーヒーパックにお湯を注いでいる。
(それにしてもヤッパリ彼女たちは、マジで可愛いよな・・・)
婚約者である五人の美少女たちは、当然今はメイド服姿で接客をしているが、それぞれタイプは違うが正真正銘の美少女揃いで、学校の中でも美人比率が高いと言われているクラスの中でも、頭一つか二つ美少女レベルが飛び抜けている。
まず五人組のリーダー的存在であるアスカ。
「ほらさっさと注文するっ! え、私? あんたみたいなブ男が私を注文しようだなんて100年早いわよ! もぅ・・・コーヒーでいいの? 他は何がいい?」
ある客に向かって罵声を浴びせる彼女。普通なら許されないのだが、アスカの「ツンデレ」な性格は男の心にドストライクらしく、何人もの客が彼女を指名してくる。

次に天然なキャロル。
「うん。 えっとぉ・・・コーヒーとピザトーストですねぇ。 分かりましたぁ♪」
普段どうりの平常運転なキャロル。ポヤァとした顔から想像も出来ないスタイルの持ち主である彼女は、服がはちきれんばかりの爆乳は男性全員の的だ。

そしてクラス全員の妹、麗。
「えっ、えっと・・・あ、あの、紅茶とトーストのセットとっ、ミルクティーが一つでしゅね」
彼女のロリスタイルは見る者全てを和ませる効果があるのか、ああして注文の際にとっかえつっかえしてしまう彼女を見る客の目はとてつもなく優しく、それに比例して彼女を選ぶ者も多い。

現代生粋の大和撫子、深雪。
「はい、お茶とクッキーですね♪ 分かりました。 少しお待ちください♪」
純日本人女性を感じさせる深雪。彼女の持つ大らかな性格と礼儀正しい態度に、客は皆恍惚とした表情で彼女を目で追いかける。
さらに、深雪自身が持つ抜群のスタイルに腰をモゾモゾとさせる客もいる始末。

最後にボーイビッシュな恵理。
「ん。 コーヒーとトーストだね? 後は何かある? そう、分かったよ。 用意するから待っててくれないかな?」
中性的なスタイルを持つ彼女。だが、そんな彼女が一度女装(?)をすれば完璧なまでの美少女へと進化する。そのギャップがたまらないらしく、彼女を指名する客は殆どが生徒だったりする。
フレンドリーな接客をする彼女、それも一つの魅力になっているのか此方も客足を伸ばす一因となっている。

(はぁ、客が来てくれるのは嬉しいことだけど・・・・やっぱ納得出来ない)
店の裏側で黙々とインスタントコーヒーを作りながら俺は心でため息を吐いた。
最初は邪魔の何者でもなかった彼女たち。それが、短い時間のうちに俺にそう思わせる程の存在になっていた事に内心で驚愕するが、それは悪い気持ちではなかった。
しかし、だからと言って彼女たちが見ず知らずの男達の見せ物になってしまうのは・・・。

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