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“リア充”始めました
官能リレー小説 - その他

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“リア充”始めました 22

(あれ?何を怒っているんだ?)
多分他の人間では気が付かないと思うが、俺は恵理の口調に彼女が何所か苛立ちを感じている事に気が付いた。
「ボクには全然手を出さない癖に・・・」
「え?今何て言ったの?」
恵理のその言葉は、声が小さ過ぎて俺の耳まで届かなかった。
「別にぃ〜・・・ねえ・・・『信哉独占禁止条約』の事聞いてるでしょう?」
「ああ・・・お前ら一体何を考えてるんだ?」
前にも出てきたが『信哉独占禁止条約』とは、俺とのエッチの回数をフィアンセ全員に公平にし、彼女たちの間での抜け駆けや独占を禁止するなどの、幾つかの禁止事項を定めた約束の事である。
当初は別に名前など無かったのだが、アスカが思いつきで名前を付け、なし崩し的にそう呼ばれる事に成った。
因みにその中に半年後俺に選ばれた一人が正妻と成り、残りが愛人に成るという条文が有る。
その為俺の寵愛を巡って、逆に抗争を激化させているという側面も有り、俺から見ると条約の有効性は甚だ疑問だ。
(因みにこの条文のせいで、俺は毎日必要以上に精を絞り取られていると言っても、過言ではない)
「うん!あの条約はシンのフィアンセ全員が署名してるわ!つまりボクもね!・・・で!『信哉独占禁止条約』の中にはシンとのエッチの回数をフィアンセ全員に公平にするって文章が有るの・・・なのにボクが一度もシンとエッチをしてないのは、明らかに条約違反よね!?」
「え!恵理!?・・・お、お前ましゃか・・・」
俺はまさか恵理がと思いながらも、無意識に逃げ道を探して後ずさる。
だが、流石は百戦錬磨の女喧嘩士・・・恵理は自分の体と両腕を動かし、巧みに俺の逃げ道を塞ぐと、獲物を見定めた狼のような表情を浮かべ、ぺろりと舌で自分の唇を濡らす。
「ふふふ・・・観念しなシン!君がボクに逆らえる訳無いだろう!!」
次の瞬間俺の唇は恵理の唇と重なり、彼女の舌が俺の口内を貪るように蹂躙する。
「んふ、すごっく美味しい!シンの唾液凄い美味しいぞ!んぐっ・・ぐちゅ・・れろ・・」
俺の体は体育館の壁と恵理の体に板挟みにされる。
彼女の胸が俺の胸板にぐいぐいと押し付けられ、胸の甘美な感触と共に、彼女自身の甘い匂いが辺りを包み込み、俺の鼻を楽しませる。
恵理のキスは、彼女の性格そのままに、情熱的で獣のような激しいものだった。
「あん!んぐ・・ちゅぱ・・ああ・・・シンイイよ!んっ、舌もっと絡めて・・あぐっ・・そう・・いいぃ・・キスってこんなに気持ちいいんだ・・・」
二人の唇が離れると、その間に束の間唾液の橋が架かり、スグにつつっと下へ落ちる。
「・・・なぁシンもっとキスしてくれ・・・」
恵理は俺とのファーストキスに当てられたのか、つい先ほどまでとは打って変って、発情し潤み熱を帯びた視線で俺の事を見詰めながら、再度のキスを迫る。
今迄の経験でなんとか理性を保った俺は、恵理を説得する為に必死に彼女に騙り掛ける。
「おい!落ち着けよ恵理!お前らしくも無い!・・・だいたいこんな所でキスなんかして誰かに見られたらどうするんだ!!」
俺のその言葉に恵理は不満げに頬を膨らませる。
「・・・見られたらって何だよ!!ぼくはシンのフィアンセだぞ!!婚約者同士がキスをするのは当然じゃないか!!」
「イヤ!婚約者って!それは飽く迄爺ちゃんが勝手に決めただけで!!」
俺のその言葉に恵理は傷ついた表情を浮かべる。
「・・・勝手にって何だよ!ぼくはお前のことが好き、すごく好き!それで抱きたいから抱く、わかる?ただそれだけだ」
今迄ただの友人だと思っていた幼馴染の少女の、余りにもストレートな告白に、俺は驚きの余り声も出ない。
「ほ・・・本気か?」
「あったり前だろ!ボクは好きでも無い男とこんな事をするほどふしだらな女じゃない!!・・・本当は初めて会った日から、ボクは君の事が好きだったんだ・・・なのに君は全然ボクの気持ちに気が付いてくれないし・・・その上美人のライバルがぞろぞろ出て来るし・・・」
そう言うと恵理は、不安そうな、怒ったような、それでいて恥ずかしそうな複雑な表情を浮かべる。
俺はそんな彼女に対して心の底から愛しい気持ちが込み上げてくる。
「恵理・・・」
「なんてね!・・・まあそういう訳だから、この際最後まで行かせてもらうよ!!」
愁傷な表情は一瞬で様変わりし、次の瞬間には何時もの恵理に戻っていた。

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