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“リア充”始めました
官能リレー小説 - その他

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“リア充”始めました 21

そんな、他の男子生徒が聞けば血涙を流すこと間違いなしの思い。
だが、いくら健全で異性に興味がある高校生男子でも、美少女とは言え四人も相手をするとなると、かなりの重労働なのだ。
(こんな事毎日してたら死ぬ。絶対に死ぬ! 17歳高校生死亡。死因は腹上死・・・・冗談じゃないっ!)
思わず一つの未来を想像し、背筋を冷やす俺。
そんな「もしかしたら、ありえるかも」な未来など死んでもゴメンである。

「はぁ、はぁ、はぁ・・・こ、此処なら・・・ぜぇ、ぜぇ・・・だ、大丈夫だろ・・・」
肩で息をしながら、俺は体育館のコンクリートの壁に寄りかかる。
何ともベタな場所だが、此処は教室からも結構な距離があるので、そうそう見つかる事はないだろう。
「はぁ、ぜぇ・・・・ふぅ。 あぁ〜・・・一人って素晴らしい「ねぇ」うわぁっ?!!」
「はぁ、何ビックリしてんのさ」

其処に居たのは、俺の婚約者の最後の一人であり、幼馴染でもある豊橋 恵理(とよはし えり)だった。
「えっ恵理!どうして此処に!?」
「如何してってボク、放課後バスケ部の助っ人頼まれてるから、昼休みの間に下調べしておこうと思って・・・」
恵理はスポーツ万能で面倒見も良い為、昔から同性の女の子に人気が有り、中学生の頃から喧嘩や部活などの助っ人を一回千円で請け負っているのだ。
(因みに中学生の頃暴走族をたった一人で壊滅させた武勇伝は、不良の間では伝説に成っているそうだ)
「それよりシンの方こそどうしたんだよ?・・・まさか!?また誰かに虐められてるのか?」
「またって俺が虐められてたのは、初めて合った時だけだろう・・・」
(それに俺を虐めてたのはむしろお前だろうが・・・)
俺は彼女と初めて会った時の事を想い出した。
当時の俺は祖父の勧めで入学したお坊ちゃま、お嬢さま向けの小学校に馴染めず。クラスメイト達から孤立していた。
世の中に特権意識を持った子供ほど嫌な人間は居ない。
それまで時々俺を溺愛している爺ちゃんの家に遊びに行った時以外は、平凡で普通の家庭で育った俺は、当然のように上流階級の子供たちと話が合わず。貧乏人と言われ虐められた。
(多分俺の上流階級嫌いも、この時の経験が大きいのではと分析している・・・因みにその時俺を虐めてた悪ガキどもの親の会社が、爺ちゃんの会社の下請けで、それを知った爺ちゃんの報復で潰されていた事を最近知った)
そんな時颯爽と現れたのが、若き日の豊橋 恵理(とよはし えり)だった。
彼女は学校でも有数の大企業の社長令嬢という肩書と、お嬢様らしからぬ腕っ節の強さで、クラスメイトからは一目置かれていた。
そして俺と恵理が初めて合ったその日も、楽しそうに俺を虐めていた悪ガキ共を一瞬で打ちのめすと、クラスメイトの前で以後俺を自分の子分にすると宣言したのであった。
以後俺は苛めっ子から庇護される事と引き換えに、小学校の六年間彼女のパシリをやらされていたのだ。
基本的に正義感が強く、曲がった事が嫌いな善良な少女なのだが、ほどほどや妥協と言った言葉を知らず。
常に衝動のままに突っ走るタイプの人間なので、一緒にいる俺は時に命がけな程だった。
虐めっ子から助けて貰った恩が有るので、仕方なく彼女に付き合っていたのだが、正直あのまま虐められているのと、恵理が巻き起こす騒動に毎回一緒に巻き込まれるのと、どっちの方がマシな人生だったか、未だに結論は出ていない。
結局俺は中学から地元の普通の公立中学に通う事にした為、恵理とは別れ別れに成ったが、彼女が中学生の時に次々に築き上げた伝説は、噂として嫌でも耳に入って来ていた。
その為先週フィアンセ達に混じって恵理が立っていた時も、久しぶりと言う気はしなかった。
もっとも小学生の頃は外見的には完全に男だったのが、現在では中性的ではあるが、ちゃんと美少女に成っていたので最初は誰か分からなかった。
(因みにこの学校は学校指定の制服が有るので、彼女もスカートを穿いており、女の子とスグ分かるが。普段着の時はズボンを穿いているので、今でも三人に一人位は、男か女か迷うかもしれない)
「それもそうか・・・。 なら、何でこんな所にいるの?」
呆れた口調で言う俺を見て、再度俺にそう問いかける恵理。
その表情はまさに「分からない」と言う風で、そんな彼女の様子に少し笑ってしまった。
「むむっ。 何も笑うことはないだろう? 君はボクをバカにしてるのかな?」
「いいや。 ただ・・・ちょっと、安心しちまって」
「はぁ?」
地面に胡坐をかいて壁に寄りかかりケタケタと笑う俺を見て、さらに顔をしかめる恵理。
「いや、ほら。 俺ってば・・・・な? お前達の婚約者だろ? それで・・・さ」
「あぁ、そういえばそうだったね。 すっかり忘れていたよ。 それに、大方あの四人から逃げてきた、って所?」
俺のしどろもどろな言い方に合点がいった恵理は、涼しげな顔で真実を打ち上げる。
「そ。 ただでさえ家では色々(性的な意味で)疲れているのに、学校にまでソレを持ち込みたく無いんだよ」
「そうだね。 昨夜は、随分“楽しんだ”みたいだし、その前の三日間も嫌なものじゃなかったんだろ?」
立ったまま壁に寄りかかりながら冷静な口調で恵理は言う。

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