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やって来たワン娘!
官能リレー小説 - その他

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やって来たワン娘! 7

今現在俺たちが座っている場所は、半円錐型に並べられた会場の最前列の中央。
あの館内アナウンスでイルカショーを見る事にした俺たち。早速会場へと足を向けたが、その時からこの天然プリンセスはやらかしてくれたのだ。

まず、水槽エリアから会場までの百数十メートルを「イッルカ♪ イッルカ♪」と口ずさみながらのスキップ。
見た目が高校生なリリナ、加えて彼女が持つ容姿が行く先々で注目の的になる。
腰まで届く長い銀髪に海を思わせる澄んだ青い瞳。小さく整った顔には、満面な笑顔を咲いており見る者全てを魅了する力がある。
そして、白のワンピースを限界まで引っ張り上げる100センチオーバーの爆乳は、彼女がスキップする度に悩ましくタプンタプンと弾み、キュッと括れた細いウエストからのヒップはなだらかな弧を形成している。

そんなアイドル泣かせのスタイルを持った少女を彼女として持つ俺に周りからの嫉妬の視線が集まるのは必然で、会場に着くまでの間、必死にポーカーフェイスを貫き通した自分に敬意を表したい。

目の前で次々と行われるイルカ達の華麗なパフォーマンスを、リリナは心の底から楽しんでいた。
「わぁー!凄いです!大きいです!!高いです!!」
(うん!喜んでる、喜んでる)
外見は非の打ち所の無い完璧な美少女であるにも関わらず、そう言ってはしゃぎ回るリリナの表情は、まるで童女のようにあどけない。
『続いてイルカ達によるジャンプパフォーマンスです』
「アハ!凄い!康哉様!もっと近くに行って良いですか?」
「うんいいよ・・・悪いけど俺ちょっとトイレに行ってくるね。あんまりハシャギ過ぎないでね」
「ハイ!!」
俺はリリナの元気いっぱいな答えを聞くと、一人で近くのトイレに向かった。

・・・要するにこの時の俺はまだリリナの天然と世間知らずブリを甘く見ていたのだ。
「ふう」
(この後のデート。リリナを何所に連れて行こうかな?)
俺はトイレを出るとそんな事を考えながら、イルカショーをやっているプールへと戻る。
だが、戻ってみるとイルカ達が次々と芸を披露して、人々が拍手喝采を叫んでいるはずのプールサイドは、異様なざわめきに包まれていた。
「すいません?何かあったんですか?」
俺は職員の男性を捕まえ、嫌な予感を覚えながらもそう聴いてみる。
「あ、ああ、実は外国人のお客様が、どうやってかフェンスとガラスを乗り越えてプールに落ちてしまい、溺れてしまわれたようでして・・・溺れたお客様の無事が確認されるまでイルカショーは中止に成りました」
「そ、その客ってもしかして・・・」
俺はとっさに周りを見渡すが、何時もなら何所に居ようともスグに見つかるハズのリリナの輝くようなプラチナブロンドの髪は、ついに発見出来なかった。
「…っ!!」
俺は嫌な予感がした…いや、嫌な予感しかしなかった。
お客さん達の中には居ない…という事は…!
俺はバッとプールの方に目をやった。
イルカ用とあって結構深い…もし底の方に沈んでいても分からないかも…。
…その時だった。
「お…おい!見ろ…!」
誰かが何かに気付いて指差して叫んだ。
皆そっちの方を見る。
イルカ達が一ヶ所に群がっていた。
何だろう…?
「…って、リリナぁっ!!?」
俺は思わず叫んだ。
「…あっ!康哉さまぁ〜!見てくださぁ〜い!イルカさん達とお友達になりましたぁ〜!」
イルカ達の中心では、何とずぶ濡れのリリナが楽しそうに手を振っているではないか。
信じがたい光景に、俺も皆も呆気に取られて阿呆のようにポカーンとしている。
「キャハハッ♪康哉様も一緒に遊びましょうよぉ〜!」
「…ハッ!…ば…ばかぁっ!!!早く上がって来なさあぁーいっ!!!」

その後…
「…ほんっとスイマセンでしたぁっ!!!」
ここは水族館の事務室。
そこで俺は職員さん方に深々と頭を下げて詫びていた。
「いえいえ、お連れ様がご無事で良かったです。イルカショーも再開できましたし…」
「すいません…飼い主として良〜く言って聞かせますので…」
「え?飼い主…?」
職員が首を傾げる。
「…あ!いや、違…っ!…ゴホゴホッ…ちょっと失礼、彼女の様子を見て来ますので…!」
俺は慌ててごまかし、その場を後にした。

職員達の使うシャワールーム…そこでリリナは体を洗っていた。
「…あっ!康哉様ぁ〜♪」
俺の姿に気付いたリリナは、複数並んだ個室(と言っても一部がボードで仕切られただけ)の一つから顔を出して無邪気な笑顔を俺に向ける。
「はぁ…リリナぁ〜、俺の気も知らないで、お前ってヤツはぁ…」
「…?」
俺の態度に彼女も何かマズったらしいと気付く。
「あ…あのぉ…私、また何かイケナイ事しちゃいました…?」
「しちゃいましたよ!何でプールに飛び込んだりしたの!?」
「…え!?だ…だってぇ…『もっと近くに行っていいですか?』って訊いたら康哉様…『うんいいよ』って…」
「あぁ…」
俺のせいかぁ……俺は頭を抱えた。

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