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やって来たワン娘!
官能リレー小説 - その他

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やって来たワン娘! 6

朝からハッスルしてしまったせいで、デートの場所である水族館に付いたのは、お昼の十二時近くに成ってからだった。
「うわ〜〜〜!!見て下さい康哉様!!お魚さんが一杯です!!」
「まあ水族館だからね」
何でもリリナの故郷はかなり田舎の方らしく、水族館や遊園地といった場所は無いそうなので、デートの度にそういった場所に初めて来るリリナのハシャギようは、見ていてとても可愛らしい。
「うふふ・・・あのお魚さんなんてバターで焼いたらとっても美味しそうですね!!」
「いや・・・やめてお願い・・・」
天然で何所かズレタ感想では有るが、そんな所も可愛い。
(親の欲目ならね恋人の欲目かな?)
そう思いふと見ると、リリナのスカートが波打っている事に気が付いた。
「あれ?あ!ダメだよリリナ!尻尾っはちゃんと消さなきゃ!!」
「あ!すいません康哉様!!」
そう言うとスカートの中でパタパタと揺れていた彼女の尻尾がドロンと消えた。
(ふうっ・・・危ない危ない・・・)
リリナの尻尾と犬耳は、家の外では消して置くように命じているのだが、興奮したり気を抜くと尻尾と犬耳が無意識に出てしまうらしい。
「ふぅ・・・それと、リリナ? 外では“康哉様”って呼ぶのは禁止だって言わなかったっけ?」
波打っていたスカートが静かになるのを見てホッと一息する俺。しかし、間髪居れずに俺はリリナに向かってジト目で注意をする。
「あッ・・・す、すみませんッ、康哉さm・・・じゃなかった。 康哉さん!」
注意されたリリナは見るからにションボリとして、また同じワードが口から零れかけたが寸でのところで堪える。

彼女と同棲生活を送る事になった日から三日目。俺はリリナと“ある約束”を交わしていた。

一つ、外にでたら犬耳や尻尾は絶対に出さないこと。

二つ、公共の場などで俺の事を「様」付けで呼ばないこと。(その時は、「康哉さん」と呼ぶこと)

以上の二つを俺はリリナに約束させた。
紙に書いたら子供ですら鼻で笑うであろうこの約束。だが侮ることなかれ、田舎育ちの天然さんを舐めたらいけない。

お嬢様育ちで今迄買い物すらした事の無いリリナは、この一月足らずの間にありとあらゆる騒動を引き起こしてくれたのだった。
正直俺は爆乳超絶美少女が恋人に成った点を差し引いても割に合わないのでは?と思える程だった。
「あ!康哉さん!このぬいぐるみとっても可愛いですね!」
「・・・だからって勝手に持っていったらダメだよ」
「ハイ!この国では欲しい物はお金と交換するんですよね!!もう覚えました!!」
リリナはまるで難しい知識を知っているから自分を褒めてくれとでも言うように、大威張りで自分の胸の爆乳を突き出すように反り返る。
「はいはい偉い偉い」
俺はそう言って彼女の銀色の髪を撫でてやる。
御姫様である彼女にとって、物とは自分が欲しいと言えば差し出されるものであり、買い物処かお金の存在そのものが知識でしかなかった。
そのせいで店先から勝手に商品を家に持って来てしまい警察沙汰に成ったのはトラウマとして記憶に残っている。
(アレなんて下手したら退学処か、刑務所行だったな・・・)
『皆様まもなくイルカショーが始まります!是非見に来て下さい!!』
「康哉さんイルカって何ですか?」
水族館の館内放送に興味を持ったのかリリナは俺にそう尋ねる。
「イルカって言うのは海に住む哺乳類で・・・まあ、行けば分かるよ」
俺は説明するのが面倒に成ったのと、せっかくなのでイルカショーを見に行く事にした。

――ザッッパ、ァァアアアンッッッ!!!

「はいッ! 見事なジャンプが出来ました! 皆さん、拍手で褒めてくださいッ!」
『ワアァァァァァッッッ!!!』
半円型のプールから思い切りジャンプした1頭のイルカが、水面から数メートル上空にあるボールを口先で突き、水しぶきを上げながら着水。
それを見た飼育員の明るい大きな声が、マイクを通してホール全体に響き渡る。

そして、一拍遅れてやって来たのは大勢の観客の歓声。所狭しと並べられていたイスは、開始5分前には満席になっており、入場制限が掛けられるほどの大賑わいを見せている。

そんな賑わっているショー会場で、俺は一体何をしているのかと言うと。
「〜〜〜〜〜ッッ!! 〜〜〜〜ッッ!!」
「ちょッ、ま、コラ! リリナ、静かにしろッ!」
右横で大変興奮している天然さんを背後から感じる生暖かい視線の雨に打たれながら必死に宥めている最中だった。

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