PiPi's World 投稿小説

やって来たワン娘!
官能リレー小説 - その他

の最初へ
 -1
 1
の最後へ

やって来たワン娘! 1


ーーピーンポーン・・・

「 ? はーい」

日曜の昼頃、五十嵐家のリビングにインターホンの音が鳴り響く、その音に五十嵐康哉(いがらしこうや)は少し不思議そうな顔をするも、やりかけのゲームを一時中止して玄関に向かった。

「一体なんだ? 訪問販売か? いや、それは無いか・・・」
そう、考えるもこの家の玄関先には「訪問販売お断り」のシールを貼っていることを思い出し、また思考の森にさまようも玄関を開ける。

「五十嵐康哉様ですね?」
玄関を開けると、なぜか宅急便の人が居て外は夏真っ盛りなのでその額には汗が吹き出ている。

「えっ? そうですけど・・・・コレは?」

いきなりのことに少しうろたえ答える彼だが、一体何なのか検討も付かない表情をする。
しかし、宅急便の人はそんな彼を無視してトラックの中から人一人が余裕で入れるほどの箱をもう一人の人と一緒になって家の入り口の床に下ろす。

「こちらが、あなた様の配達物です。 確かにお届けしたので、これで」
そう、言ってさっさとトラックに乗り行ってしまった彼らを康哉はただただ突っ立っているしかなかった。

「・・・・・これ、どうしよう・・・」
一人、玄関前の廊下で立ち尽くす彼は目の前にある、自分経ての宅配物を見て覇気のない声を上げるも、このままでは何も進まないので、コレをリビングまで待っていこうと、持ち上げてみると

「あれっ? 想像してたより軽い?」
そう、この人が丸々一人入れそうな大きさのダンボール箱は彼が思っていた物よりも軽いのだ。
この軽さはなんだ?、とますます疑問は増える一方だが、今はそのことは置いておくとして、リビングへと運ぶ。

「ふぅ〜、思ってたより軽かったし・・・・・ん? っこれって伯父さんからか?」
リビングにて、送られたモノを適当に置き、コレが何なのかと頭を捻らせていた時、箱に付けられた紙を見つけ見てみると、そこには自分の父の兄、五十嵐智紀(いがらしともき)の名があった。どうやらこの宅配物は彼から送られたようである、とようやく謎の一つが解明し一息をつくが、今度はコレの『中身』が何なのかが康哉を再び思考の森へと誘うのである。
「とりあえず開けてみるか」
康哉は段ボール箱をリビングまで待って来ると、とりあえず箱を開けてみる事にした。
すると其処には・・・
「ワン!!」
一匹の子犬が入っていた。
「なんだこりゃ?」
その犬は、人に飼われていたのか、人懐っこく。康哉の手にじゃれ付いてきた。
「伯父さんったらいったいどういう心算だろ?ヤッパリ家で飼えって意味かな?」
康哉はとりあえず家の冷蔵庫から牛乳を取り出すと、少し暖めた後犬に与えた。
「まあどうせ親父もお袋も単身赴任で、アメリカに行ってて一人暮らしだし。犬の一匹くらい飼うのは、別に構わないけど、責めて一言くらい電話か手紙で相談してくれれば、良いのに・・・まああの伯父さんじゃ仕方ないか・・・ハア」
康哉は民俗学者で、アマゾンだのサハラ砂漠だの世界中の秘境に行っては、その度に現地化して帰って来る。変人の伯父の顔を思い出して溜息をついた。
「まあ飼う以上名前ぐらい付けないとな・・・そうだな・・・毛が白いからシロで良いだろう」
こうして康哉は実に安易にその子犬にシロと名付けた。
「よろしくなシロ!!」
「ワン!!」

SNSでこの小説を紹介

その他の他のリレー小説

こちらから小説を探す