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美少女戦士 ピュアハート
官能リレー小説 - その他

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美少女戦士 ピュアハート 33

その気持ち…妹に対して全てを任せ放棄してしまった後悔と、そして謝罪の気持ちがない交ぜになり、一刻も早くレインに会いたい…という気持ちが、ひたすらに樹…リーフの足を突き動かしていた。

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城山公園は真純達の通っていた学校の裏手にある、山をそのまま城塞にした天然の山城の跡地の公園だ。

いまや見る影もなく寂れており、あるのはわずかばかりの堀切や虎乃口の跡、そして申し訳程度に建てられた櫓の形の滑り台ぐらいだが…ハンゾウはもちろんそんなものには興味はなかった…いや、正確にはそれどころではなかった。

しかしハンゾウが焦るのも仕方のないことだろう、虎の子である忍達は全て撃破された、一番あっさりと手に入る予定だった元ピュアリーフの心臓は既に手に入るどころか、逆にピュアリーフが復活してしまい火鬼はあっさりと倒されてしまったのだ。 

「この呼魔檀を使い、冥界の火を灯し…そのなかにピュア戦士の心臓を放り込めば、戦士が倒され夢破れて事切れる…強烈な絶望が手に入るはずだったのだがな…もはや用済みか…私の役目は終わったも同然だ…」

染々とそう呟くハンゾウの顔は目を潤ませ、たくましい体つきすらもはや小さく見えるほどだった。

小さく身体を丸めたハンゾウは足をぐりぐりと動かして…そして頭を抱えて喉から声を漏らさないように慟哭するように声をあげた。

くつくつと響くそれが止まると同時に…ハンゾウは口を歪めて、今までとは違った口調で声をあげた。



「なあ、本気でそう考えていたか?ピュアレイン?…私はもはや切り札を失った哀れな幹部だと…ワハハハハハハハハ!」

「っく…くそっ!このっ…足をっ…どけろぉっ!!ふぐっ!っぐぅっ!」

「ほらほら?さっきまでの威勢はどうした?この程度か?ピュアレイン!所詮貴様の実力は姉には及ばん!弥生にもな…はじめから狙いはコレだったのよ!わかるか?!貴様こそが必要な贄だったのだ!」

楽しげに話しかけるハンゾウの足元…もはや切り札の必殺技さえ効かずにハンゾウに肉体を足で押さえつけられたピュアレインは、屈辱に身をもがいて逃げ出そうと抵抗していたが、その単純な力と力量の差はもはやレインには埋められるようなものではなかった。

「っく…今にっ…仲間達がっ…皆がっ…来てくれるっっ!!」

「それは好都合だな、心臓はあればあるだけたくさんの力がキングに捧げられる…そうなれば最早全てのピュア戦士達を集めてもキングに勝つことは不可能になるだろうな!」


嬉しそうに話しかけるハンゾウが腰に下げた山刀を抜こうとした瞬間に、どこからともなくいくつもの弾丸がハンゾウを打ち据えた。

明らかに火薬を使用せずに、ヒュパ!ヒュパ!と空を切る音を上げて…しかし当たるも全くハンゾウにダメージを与えているようには見えないそれは次々にハンゾウへと当たるが、もはやそんなものを気にするそぶりすら見せずに、ハンゾウは呟いた。

「音もなく狙い撃ちか?…当たればいい…などという考え方は甘えだぞ?」

もはや怖いものなど己には何もない…そう言いたげな表情を浮かべるハンゾウは口から含み針を吹き付け、次々にピュアレインの影に突き刺した。

「少しばかり大人しくしていろ小娘…ハエを叩き潰してやる」

「ハエなもんですか!きっと…きっとあなたを倒すための最強のピュア戦士が来てくれたのよ!」

「夢を見すぎだ、ガキぃ…お前に現実を思い知らせてやる!奥義!人魔鬼獣化の術!!!」

ハンゾウのそれは今までの余裕ある悪役のそれではなく、もはや化け物…人間の思考とは違った獣のそれが見えていた。

そしてハンゾウが自らに術をかけ、軽く跳躍すると…その肉体は巨大な怪物へと変貌し始めた。 

「うぐぉぉぉォアアアアアアアアッッッ!!!」

獣の叫びにしか聞こえないそれは、次第にハンゾウの肉体の変化に合わせて大地を揺らし、そしてハンゾウの身体は巨大な熊のような怪物へと変化していた。

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