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神願い!!
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神願い!! 10

耕哉は腕にこぶしを出しながら自慢気に笑う。
そんなの見せられたからといって、俺は今さっきまでミノタウルスの太い腕に抱かれていたんだから、何の魅力も感じられないよね…
だからと言って、ここで耕哉の機嫌を損なう訳にはいかないので、一応微笑んで見せてやる。
「お前、こういうの好きなのか?…」
何を勘違いしたのか、耕哉は増々図に乗った発言をしやがる;…
「ふっ、好きって耕哉…そんな訳ないだろぉ…」
俺は呆れながら、鼻で笑って返す。
「だってよ…お前、勃ってるぜぇ…」
ゲェ;;…まずい;…
なんとまあタイミングが悪いのだろう。もとはといえば俺が悪いのだけど。
耕哉はそれにあてられたのかタンクトップを脱ぎ出した。
「な…!」
「汗かいたからな」
そう言って耕哉はニヤリと笑う。更に肉体美を見せつけたいらしい。
不幸なことにこの家は男だけの2人暮らし、しかもやたらと広い豪邸。耕哉が止める要素が見つからない。
あれよあれよという間に耕哉が脱いだ。
「どうだ?」
「すげ…!」
ミノタウルスほどではないが、鍛えられた筋肉に包まれた、引き締まった上半身。
腹は割れていて、肥満という言葉とは無縁に思えた。
「やっぱり恥ずかしいからよ。特に腹は重点的に鍛えたんだぜ。これでアイツの前でも恥ずかしくないな。」
そして胸。肋骨を包むしっかりとした胸板。スマートに鍛えられたそれは、分厚いとはまだいかないようだがそれでも精悍な男の色気を感じさせる。
俺は耕哉の筋肉に見とれていた。あれ?アイツって誰だ?
「やっぱし彼女ができたからには弛んでちゃだめだろ?一緒に歩いてても恥ずかしいしHのときなんか…」
彼女……
俺は耕哉の話が耳に入らなくなった。目の前が暗くなる感覚。
耕哉に彼女…なんだろう、この感覚は。胸の奥が痛むような、そう、ずきんと。
「…あれ?おい紫苑、紫苑?」
視界がぐらぐらする。声も遠くから聞こえる。
揺さぶられる感覚。
「おおい、紫苑ぼうっとしてどうしたんだ?」
耕哉が俺を揺さぶって呼びかけていたようだ。
「あ、ああごめん。」
「どうした?勃起したせいで頭の血が抜けたか?」
耕哉は笑っている。俺はなんとか正気に返り、おずおずと尋ねた。
「大丈夫さ。ところで…耕哉、か、彼女って?」
「おうよ。同じ中学だった真理亜って覚えてるか?」
覚えてるも何も・・・・・・真理亜は俺達共通の友達だった。アンリ・マユとあだ名された俺とも分け隔てなく付き合ってくれて、目も大きく、色白で結構可愛い娘だった。
「バイト先に先月入ったんだよ。真理亜がバイトとして。で、この前告白されたんだ。あの時は心底から嬉しかったな。あの真理亜だぜ。」
耕哉の手が、胸元で何かをたぷたぷ揉むようなしぐさをした。
真理亜って中学生離れした胸の膨らみ方をしていた。
紫苑にとってはそんなことは全く興味が無かったが、それでも真理亜に好意を持ってはいた。
初めて短かに接する“女”という存在に戸惑うこともあったが、嫌な気はしなかった。
もしこの先、自分の持つ性癖を封印して、女の子と付き合う機会が来るならば、自分は真理亜のような女の子と付き合いたいと、真面目に考えていた程だった。

「やっぱお前でも、羨ましいと思ってくれるのか?…」
「羨ましいって訳じゃないけど…真理亜はすごくいい子だとは思うよ…」

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